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 アバター
『アバター』
〜ジェームズ・キャメロンの想像を絶するパンドラへようこそ〜

 (2009・アメリカ/2時間42分)
監督・脚本 ジェームズ・キャメロン
出演 サム・ワーシントン ゾーイ・サルダナ ミシェル・ロドリゲス スティーブン・ラング シガニー・ウィーヴァー

2009年12月23日(金)より
TOHOシネマズ梅田、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、なんばパークスシネマ、TOHOシネマズ二条、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸、シネモザイクほか、全国超拡大ロードショー

・舞台挨拶は⇒こちら
・公式サイト⇒
 
http://movies.foxjapan.com/avatar/
 『タイタニック』のジェームズ・キャメロンが、製作に4年を費やした『アバター』をスクリーンで体感して仰天。映画というより、時間の長いアトラクションに乗っているかのようで度肝を抜かれた。映画第三革命と呼ばれるデジタル3D映画のパイオニアとして、100年後も語り継がれる超大作。

 物語は、22世紀の地球から始まる。車椅子生活を送る元海兵隊員・ジェイクのもとに、「アバタープロジェクト」への参加要請が届く。「アバタープロジェクト」とは、地球から5光年離れた衛星パンドラで実施されている開発事業のこと。軍隊を伴う企業RDAは、パンドラに存在する超伝導性の鉱物を採掘し、莫大な利益を生み出そうと企んでいた。 
しかし、パンドラには有毒なガスが充満しており、人間のままでは身動きに限界がある。そうした難を解決するため、人間と衛星で暮らす先住民ナヴィのDNAを組み合わせた肉体“アバター”を開発。特別な装置から“意識”をアバターにリンクすることで、ナヴィに変身することを可能とした。ナヴィの肉体を得たジェイクは、スパイとして先住民に接触し、巨大な鉱床を採掘するため彼らの集落を立ち退かせろと命令される。  
 しかし、パンドラの森へと足を踏み入れたジェイクは、その豊かな自然の美しさに目と心を奪われる。さらに、ナヴィの族長の娘・ネイティリと出会い、一族の文化や、自然と共存する生き方に、本来あるべき姿を見出したジェイクは、ミッションの遂行に後ろめたさを感じ始めていた。煮え切らないジェイクに痺れを切らしたRDAは、ついに、有無を言わさずパンドラに攻撃をしかけ、森を破壊し始める。
 仮の肉体アバターを“シンクロ”させた意識で動かすなど、SF設定は凝ってあるが、ストーリーは、傲慢な人類VS純粋な先住民の開拓戦争といたってシンプル。その中で語られる環境破壊やその他メッセージの受け取り方は、各々にお任せるとして、とにかく、見所は映像そのもの。スケールが半端なく、ビジュアル表現はパーフェクト!想像の限りを尽くした異星・パンドラのイメージは幻想的で見飽きることがない。蛍光に光る植物や、獰猛な動物たちが登場するたびに、夢のような感動を味わえる。
 今まで3Dといえば、“飛び出す”ことが基本だった。しかし、昨今の3Dの重点は“奥行き”感にある。『アバター』はまさにその代表で、飛び出してきた映像に背中を仰け反らすのではなく、スクリーンにできた空間に吸い込まれる感覚。特に、絶壁から下を覗きこんだときの遠近感や、イクラン(プテラノドンに良く似た翼竜)に乗って空を飛ぶシーンのスピード感は、落ちないようにグッと足に力を入れてしまうほどの迫力がある。

 キャメロン監督は、『タイタニック』の3D版も公開へ向けて準備中らしい。こちらの上映時間は『アバター』の2時間42分よりも長い、3時間14分!3Dメガネをかけながらの3時間強はなかなか大変そうだが、船が二つに折れる場面など通常版以上の興奮が期待できそうだ。ちなみに、『パイレーツ・オブ・カリビアン4』や『ソウ7』も3Dで製作が進んでいるとか。その他、話題作も続々と3D化されるようなので、その先陣である『アバター』鑑賞は必須と言えよう。できれば、設備の整った大スクリーンで、席は中央に陣取って、パンドラの冒険を体験してみて。

(中西 奈津子)ページトップへ
 ドゥーニャとデイジー
『ドゥーニャとデイジー』 (Dunya&Desie)
〜他者を理解し認めることは、自分の心も自由にしてくれる〜

(2008年 オランダ・ベルギー 1時間42分)
監督:ダナ・ネクスタン 脚本:ロバート・アルベルディンク・タイム
出演:マリアム・ハッソーニ、エヴァ・ヴァンダー・ウェイデーヴェン

2009年12月5日(土)〜シネ・ヌーヴォにて元気の出るロードショー!
(2010年、京都みなみ会館でも公開予定)

公式サイト⇒ http://www.dunya-desie.com/
 オランダからとんでもなくキュートでハートウォーミングな映画がやって来た。性格も人種も違うふたりの女の子が、アムステルダムからモロッコへ飛んで自分探しの旅をするロードムービー。『旅するジーンズと16歳の夏』(2005年)では4人の女の子が一着の不思議なジーンズによって大きく成長していくファンタジーだったが、本作ではアイデンティや価値観などをふたりの女の子の友情を絡めて、シリアスだけど明るく前向きに描いた爽快なドラマだ。
 アムステルダムに住むドゥーニャは、モロッコからの移民でイスラム教徒の家庭で育った控え目で真面目な女の子。一方、同じアパートに住む幼なじみのデイジーは、ドゥーニャとは対称的に恋にもオシャレにも積極的な生粋のオランダ人。ところが、進学を希望していたドゥーニャの18歳の誕生日に突然結婚話が浮上! 猛反発の甲斐無く、一家はモロッコに帰りドゥーニャの結婚を進めることに。そこへ、妊娠してしまったデイジーがやって来て、ふたりは家出してなぜかモロッコにいるというデイジーの父親を捜す旅に出ることに・・・。
 本作は、オランダで放映された人気TVドラマ「ドゥーニャ&デイジー」の映画化だそうだが、日本のその手の映画とは比較にならない程質が高い。人口の17%が外国人(移民を含む)というオランダならではの異文化に対する寛大なテーマと、モロッコでの大々的なロケというエキゾチックでスケールの大きな作品となっている。
 そして、何といってもドゥーニャを演じたマリアムの思慮深く繊細な演技と、デイジーを演じたエヴァの天真爛漫で憎めないキャラは、本作の大きな魅力だろう。特に、モロッコにやって来たデイジーが、イスラム社会ではタブーとされる肌を露出したファッションでウロウロしてはひんしゅくをかう辺りは爆笑もの。また、カサブランカやマラケシュなどの迷宮のような街中でケンカしたり助け合ったり、旅を通じ、性格も育った環境も正反対のふたりが、お互いの違いを理解し認め合いながら友情を深めていく辺りは説得力があって感動的だ。
 誰も自分のことを理解してくれない、なんて嘆く前に、自分がどれほど周りの大切な人を理解しているのか。外見や育った環境の違いや偏見や思い込みで人を判断してはいないだろうか・・・いま一度自問してみたくなった。周りに“困ったちゃん”と感じられるような人がいたら、本作を思い出して寛大な気持ちで見守ってあげて下さい。きっと、あなた自身の幸せにも繋がるはずです。

こんないい映画が大阪ではシネ・ヌーヴォだけで、しかも2週間の公開では勿体ない!
是非お見逃しなきように!

(河田 真喜子)ページトップへ
 パブリック・エネミーズ
『パブリック・エネミーズ』 PUBLIC ENEMIES
〜片手にコート、片手にマシンガンの伊達男〜

(2009年 アメリカ 2時間21分)
監督:マイケル・マン
出演:ジョニー・デップ、クリスチャン・ベイル、マリオン・コティアール、
2009年12月12日(土)〜TOHOシネマズ梅田 他全国ロードショー
来日キャンペーンレポート⇒こちら
公式サイト⇒
 http://www.public-enemy1.com/

 「俺のことを知らない?(じゃあ、教えよう)好きなものは野球に映画、高給な服に早い車、それに君だ」、そう言うと男は女の手をとって職場から連れ出し、前に安っぽい服を気にしていた彼女に最高級のコートをプレゼントする。男の名はジョン・デリンジャー。大恐慌時代に銀行強盗として名をはせた無法者。だが、奪うのは恐慌の元凶でもある銀行の金だけで、市民からは1セントも盗らなかった。また、当局を何度も出し抜き、逃亡を重ね、鮮やかな脱獄劇でも喝采を浴びた。
 そんな男をジョニー・デップが演じる。言うまでもなくカッコイイ。マイケル・マン監督は、彼の背後に1930年代の素晴らしいセットを組みながら、さらにダンテ・スピノッティという、場の雰囲気を切り取る素晴らしいキャメラマンを擁しながら、デップを撮るときは、その85%をバストショットで捉える。それは、この映画をデップのカッコ良さで魅せよう、見せ切ってしまおうという意志の現れだ。その意志に応えるデップがまた見事。
 作品全体の印象としては、宿敵や愛人との絡みがある割りにはやや平板な気がするけれども、主人公のカッコ良さこそを存分に楽しむ。そんな映画があってももちろんいい。
(春岡 勇二)ページトップへ
 君の心臓の鼓動が聞こえる場所
Livespire 『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』
〜やっぱりクリスマスには奇跡のファンタジー〜

(2009年 日本 2時間07分)
映像監督:佐藤克則
Stage脚本・演出:成井豊,真柴あずき
出演:黒川智花,西川浩幸,大森美紀子,岡田さつき,菅野良一,大内厚雄,前田綾,岡内美貴子,温井摩耶,三浦剛,筒井俊作,實川貴美子,阿部丈二
12/5〜11 梅田ブルク7 にて上映 他全国順次公開⇒こちら
公式サイト⇒
 http://www.livespire.jp/kimikodou/index.html

 Livespire(ライブスパイア)とは,演劇,オペラ,バレエなどをデジタル映像化し,制作・配給を行って映画館で上映するエンタテインメントである。今回は「嵐になるまで待って」に続き,再び演劇集団キャラメルボックスの舞台が映像化され,関西では2009年10月31日から11月13日まで109シネマズHAT神戸,12月5日から11日まで梅田ブルク7で公開された。本作は,2008クリスマスツアーとして上演されたもので,クリスマスらしい物語だ。
 典彦(西川浩幸)は,テレビの脚本家で42歳。実は19歳になる娘いぶき(黒川智花)がいる。14年前に別れた元妻亜希子と一緒に札幌で暮らしていた。が,いきなり典彦を訪ねてくる。小説を書いたので出版社の人を紹介して欲しいと言うのだが…。典彦はいぶきが5歳の時に別れた後1度も会っていないというのがミソ。物語の中盤からミステリアスな展開になる。果たして彼女は本当にいぶきなのか。もし違うとすれば,誰が何の目的で…。
 カメラは,登場人物から大きく離れることなく,その鼓動が聞こえるようなポジションを保ち続ける。舞台全体が見渡せないので,何となく違和感を感じるが,それも初めのうちだけだ。また,過去のシーンになると,突然モノクロに切り替わるが,少々くどい感じがした。登場人物のモノローグが多く,ナレーションの役割を果たしており,それだけで十分に分かりやすい舞台になっている。そのため,屋上屋を重ねるという感じを免れない。
 物語の展開としては,テレビドラマの脚本作りの裏話のような面白さがある。脚本家の典彦は仕事に追われている。いぶきは彼のために料理を作るが,なかなか食べてもらえない。先に亡くなった祖父の祖母への思いや,典彦のマネージャー真知子の亡父への思いにも,もう少しアクセントを置いても良かったかも知れない。とはいえ,どんなに忙しくても決して忘れてはいけない大切なものを思い起こさせてくれる,ほんわかファンタジーだ。
 今後は,バレエとオペラも予定されている。英国ロイヤルバレエ「オンディーヌ」(吉田都が登場!)と「くるみ割り人形」,マリインスキー・バレエ「白鳥の湖」。そして,ミラノ・スカラ座「椿姫」,グラインドボーン音楽祭「愛の妙薬」と「チェネレントラ」,英国ロイヤル・オペラ・ハウスの「ドン・ジョバンニ」,バルセロナのリセウ劇場「アイーダ」だ。なお,情報誌「Livespir Times」が発行されており,梅田ブルク7で手に入る。
★『ワールドクラシックシネマ』の詳細は⇒こちら
(河田 充規)ページトップへ
 カールじいさんの空飛ぶ家
『カールじいさんの空飛ぶ家』 原題『UP』
〜頑固じいさんを変えた少年の勇気〜

監督:ピート・ドクター、ボブ・ピーターソン
(2009年 アメリカ 1時間43分)
出演:エド・アズナー、ジョーダン・ナガイ

12/5全国ロードショー
公式サイト⇒ http://www.disney.co.jp/movies/carl-gsan/

 オープニングシーン、セリフもなく映像と音楽だけで、カールじいさんの冒険好きな少年時代から、妻エリーに出会い、結婚し、先立たれるまでの何十年もの人生が、写真のアルバムをめくるように詩情豊かに描き出される。暖かな色調のアニメならではの見事な導入に、思わず引き込まれる。
 愛妻との思い出がつまった家を一人で守り続けてきたじいさんは、立ち退きを迫られ、ふと、亡き妻との果たせぬ夢だった南米の秘境の滝への旅を思い出す。何万個もの色とりどりの風船に引っ張られて、小さな家が、めきめき音をたてて大地を離れ、丸ごと青空に浮かび上がるシーンの爽快なこと。

 探検家にあこがれる近所の少年ラッセルがなぜか家に入り込んでいて、道中を共にする。ささやかな冒険は、予期せぬ展開に…。ドジばかり踏んでいる犬のダグ、チョコレート好きな怪鳥ケヴィンと南米で出会い、弱い者同士、互いに助けあう姿に心熱くなる。
  気難しくていつも不機嫌なじいさんが、おしゃべりなラッセルの影響で、戸惑いながらも、少しずつ変わっていく。クライマックス、最後まであきらめず友達を救おうとするラッセルの一途さが、じいさんに大きな決断をさせる。じいさんが、知恵と勇気で少年たちを守ろうとする姿に、思わず胸が熱くなる。土壇場で果敢に立ち向かうラッセルの成長ぶりも頼もしい。

 妻との思い出にひきこもっていた老人は、大冒険で、全てを失うが、少年と固い絆で結ばれて、日常に帰ってくる。ラスト、少年と肩を並べて座り、仲良く語り合う老人の姿から、人生で大切なのは、過去ではなく、今、自分の身近にいる人を大切に思う心だと教えられた。
 老人と少年の出会いを描いた今年の大傑作『グラン・トリノ』の設定をほうふつとさせ、映画ファンを喜ばせながらも、全く異なる魅力の世界が広がった。ユーモアにあふれ、ファンタジックな冒険物語は、子どもから大人まで誰もが楽しめ、大いに心温まる、夢のような輝きを放つ。この冬一番のお薦め傑作アニメがピクサーから生まれた。
(伊藤 久美子)ページトップへ
 ジャック・メスリーヌ

Part.1 ノワール編
『ジャック・メスリーヌ』 (Part1ノワール編,Prat2ルージュ編)
〜社会の枠に収まらない男から流れる哀感〜

(2008年 フランス Part1:1時間53分, Part2:2時間13分)
監督:ジャン=フランソワ・リシェ
主演:ヴァンサン・カッセル

Part1出演:セシル・ド・フランス,ジェラール・ドパルデュー,ジル・ルルーシュ,ロイ・デュピュイ,エレナ・アナヤ,フロランス・トマサン,ミシェル・デュショーソワ,ミリアム・ボワイエ

Prat.2 ルージュ編
Part2出演:リュディヴィーヌ・サニエ,マチュー・アルマリック,サミュエル・ル・ビアン,ジェラール・ランヴァン,オリヴィエ・グルメ,ジョルジュ・ウィルソン,ミシェル・デュショーソワ,アンヌ・コンシニ,ロール・マルサック,アラン・フロマジェ

セザール賞(仏版アカデミー賞)3部門受賞!
★監督賞★主演男優賞★音響賞

2009年11月7日〜TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開
関西では、2009年12月12日〜シネマート心斎橋にて公開

*Part.1、Part.2の2作同時公開。(2本立てではございません)
公式サイト⇒ http://www.vincent-cassel-movie.com/
 美しい映画である。色彩に陶酔させられたわけではなく,構図に感嘆させられたのでもない。ただ宝石のような輝きを放っていた。そこから体温は伝わってこない。とはいえ,主人公は決して冷淡な人物ではなかった。かえって,人の温もりを追い求めていたように思える。彼は,常に心の奥底に満たされることのない孤独を抱えていたに違いない。また,自分の行く末を客観的に見据えていた。その哀しさがスクリーンに投影していたのだろう。
 主人公はジャック・メスリーヌ。銀行強盗や脱獄を重ね,社会の敵bPと呼ばれた男。時代は1959年から1979年まで。その生き様が要所を押さえた端的な表現で描かれていく。アルジェリア戦争では上官から“処刑”を命じられる。自我の弱い父親に誇りを感じられず背を向けてしまう。更生しようと就職したけれどもリストラされる。自分の思いとは別の色に染め上げられていく。その変化をヴァンサン・カッセルが正に身体で表現している。
 Part1の冒頭でジャックが最期を迎える直前の様子,Part2の冒頭でその直後の状況が示される。人生には終わりがあることを目の前に突き付けられる。全てはエンディングに向かって動いているという,哀感に包まれる。しかも,ラストで彼と行動を共にしていたシルヴィア(リュディヴィーヌ・サニエ)の一言が強烈だ。彼女の念頭からジャックが消え,彼の孤独が浮かび上がる。彼自身,これを予期していたように思える。それがまた哀れだ。
 彼は,娘と歩いていると銃撃され,刑務所内で娘と面会しても触れ合うことができない。最も心が通じ合っていたジャンヌ(セシル・ド・フランス)はジャックの命を守るために彼を拒絶する。その直後の2人の様子がコマ割りで同時に映し出される。映画全体のトーンが象徴されたようなシーンだ。彼女を除けば,彼を追うブルサール警視(オリヴィエ・グルメ)がジャックを一番よく理解していたのかも知れない。人生は何とも皮肉なものだ。
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 ジュリー&ジュリア
『ジュリー&ジュリア』 (Julie&Julia)
〜食卓から愛と感動を届けるヒューマン・コメディ〜

(2009・アメリカ/123分)
配給 ソニー・エンタテインメント ピクチャーズ
監督・脚本 ノーラ・エフロン
出演 メリル・ストリープ エイミー・アダムス スタンリー・トゥッチ クリス・メッシーナ リンダ・エモンド

2009年12月12日(土)〜クリスマス全国ロードショー!!
公式サイト⇒ http://www.julie-julia.jp/
 1961年にフランス料理のレシピ本を出版し、アメリカの“食文化を変えた”料理研究家ジュリア・チャイルドと、彼女の524もあるレシピを1年間で再現することに挑み、その結果をブログに綴ったジュリー・パウエル。料理をきっかけに幸せを掴んだ2人の女性の実話が、50年の時を越えて交差する。
 2人の成功を通して描かれるのは、“挑戦と失敗”の繰り返しで人生は築かれていくという教訓だ。30歳を目前にして何も結果を残せていない自分に苛立つジュリーが、おおらかなジュリアの生き方をお手本に目標を定め、成長をとげていく過程は、現状に悩む万人の心に響くはず。自ら未来を切り拓き始めたジュリーが「悲観していたけど、素敵な30代になりそう」ともらす言葉に胸を打たれた。
 大柄で高い声が特徴的なジュリアを演じたM・ストリープの“名人芸”が見事!その他、パールのネックレス、赤いルクルーゼの鍋、理解ある夫という共通項をもって2人が映像上でシンクロしている点にも注目。
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