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『犯人に告ぐ』〜瀧本智行監督 合同記者会見 |
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〜 寡黙な男の熱き“刑事魂”を熱演〜
(2007年 日本 1時間57分)
監督:瀧本智行
出演:豊川悦司、石橋凌、小澤征悦、笹野高史、片岡礼子、井川遥、松田美由紀
10月27日〜テアトル梅田、109シネマズHAT 神戸
11月17日〜京都シネマ
公式ホームページ→
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雫井脩介原作のベストセラー小説の映画化。メガホンをとったのは瀧本智行監督。前作『樹の海』(‘04)では、死と向かい合った人間が微かながらも生きる希望を見出していく内面の変化を、緻密な演出で描き出し、観る者を圧倒した。監督デビュー作ながら、的確に役者の演技を引き出す演出力は、フリーの助監督として、降旗康夫監督『鉄道員(ぽっぽや)』(‘99)、高橋伴明監督『光の雨』(‘01)、佐々部清監督『陽はまた昇る』(‘02)など、名立たる監督の作品に参加した豊富な経験に裏打ちされたもの。
今回、映像化のオファーが殺到する中、「WOWOW FILMS」の第一弾としての映画化が決定。瀧本監督に白羽の矢が立った。
現場で捜査に当たる刑事がテレビに出演し、犯人を挑発して表舞台に引きずりだそうという「劇場型捜査」が展開する。 過去に誘拐事件捜査で失敗し、心に傷を負い、今回、捜査責任者としてテレビ出演する巻島刑事に豊川悦司、保身のために画策を企てる県警本部長に石橋凌、野心家のエリート警視に小沢征悦、巻島を支える定年間近の老刑事に笹野高史と、存在感たっぷりの役者が集まり、犯人逮捕を命題にしつつも、その裏側で、警察内部の権力争い、マスコミの視聴率争いと、様々な思惑がからまりあい、緊迫感あふれたドラマが繰り広げられる。
待望の公開を前に、瀧本監督が映画のキャンペーンのために来阪。映画への熱い思いをざっくばらんに語ってくれた。 |
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――――監督第2作目ということですが、エンターテインメントとしてもすごく楽しめて、でき上がったときの自信は?
ないですね(笑) ――――どのあたりが?
自信ないというのとはちょっと違うのですが、1回しか観ないのですが‥‥。おそらく100%満足するということはないでしょうけど。あとは観ていただく皆さんに判断していただければと思います。 |
――――雨の中、子どもが殺されているシーンとか、観ていて『殺人の追憶』('03
韓国 ポン・ジュノ監督)を思い浮かべるところがあったのですが、なにか刑事ものやサスペンスとかでインスパイアされたものはありましたか?
『殺人の追憶』は観ていますが、よく言われちゃうのですが(笑)、でも、全然意識はしていませんし、撮影に入る前に、参考にたくさん観なおしましたけれども、結果的には全部忘れて、今、目の前にあることをどうするのか、というふうにやっていきました。
――――テレビのWOWWOWで最初に放映してから公開という、かなり異例のスタイルですが、そういうことを聞いて、どう思われましたか?
僕の判断することではないので。ただ最初にプロデューサーに一つ確認したのは、「テレビ放送を意識しなければいけないのか」と聞いたら、「それは要らない。映画をつくってくれ」と言われたので、そのことは一切考えなかったです。だから、たまたま順番が入れ替わっただけ、という気持ちでつくりました。
――――テレビで最初に観られることに対しての危惧感とか、その後に公開されるものへの危機感とかは覚えませんでしたか?
そこまで考えなかったですね。今までなかったことなので、どうなるかわからないですから。まだ映画公開前ですし、結果的にどうなるかわかりませんし、はっきり言って、なかったです。単純に目の前の作品をどうするか、ということしか考えなかったですね。
――――前作「樹の海」で人物描写が深いことに大変驚きました。今回の映画も主人公の巻島をはじめ、各登場人物がしっかり描かれています。これは監督ご自身の洞察力の鋭さからきているのではないかと思ったのですが‥‥監督ご自身、どういったことが反映されてこんな演出ができるのですか?
そんな演出力があるかどうかわからないんですけど(笑)。一つ言えるのは、人間に関心があるので‥‥。この原作も長編で、非常に多くの要素があり、シナリオを組む時に、もっと違うニュアンスのもの、ハリウッドタッチとか、もっと展開が早くて、派手につくっていくことは、あの原作から可能だったと、別の監督や脚本家なら、全く違うタッチの作品になったのかもしれません。
ですが、僕自身が原作を読んで一番面白いなと思ったのは、キャラクター造形であったり、人物の描写であったり、全然別個にいた人間がぶつかることで起こる化学反応であったり、そういうことが実際読んでおもしろかったので。そうおっしゃっていただけるんだとしたら、僕の興味のあり方が、物語をころがすことよりは、人間を動かすことに本来的に興味があるからかな、と思います。 |
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――――前作はオリジナルの脚本でしたが、今回は原作、しかもベストセラーということで、プレッシャーとか、こういうことは気をつけたいとか、ありましたか?
いや、原作の雫井さんが、映画は映画なので、自由にやってください、ということだったので、大きな縛りもなく、すごくやりやすかったです。よくできた原作だったので、何か新しい要素を付け加えて、という必要がなかったんですね。原作の中にあるものから、何と何を選んで、どう2時間に組んでいくか、という技術的な難しさはありましたけれども、原作ものだからということの苦しみはなかったです。
ただ、映画業界でよく言われることですが、1本目はご祝儀相場で、2本目でだめだったらグッバイということがあるので(笑)、グッバイにならないように、とは思いました(笑)。そういうプレッシャーはちょっとありましたかね。 |
――――もともと原作は読まれていたのですね。読んでいて、映像が浮かんだりとか?
出た当初に読んでいて、単純に一読者としておもしろいなあと思ったし、きっと誰か映画化の話に行ってるよな(笑)と思っていました。自分が撮るという発想は全くなくて、話が来た時はあらら、という感じでしたね。
普通の読者の方でも、映像を浮かべながら読んだりするでしょうから、それと全く同じ。 ――――監督のオファーがあった時はどんな気持ちがしましたか?
不思議な感じがしましたね。、1本目が樹海で自殺する人たちの映画で、ちょっとかぶっている感じのお話があって、それはちょっとやりたくなくて‥‥。
待っていたら、このお話がきたから、すごくやりたいなと思いましたね。 ――――テレビ用とは意識せず、映画として撮ってほしいというお話でしたが、映画とテレビ用をつくる上で、大きな違いは何でしょうか?
映画は、自らお金を払い、暗闇の中で何かを観ようと思って、楽しもうと思って来るんですよ。テレビは、何かをしながら、それが一番大きいですよね。部屋は明るいし、、視聴者にテレビを観ていてもらう時間をどれだけ持続させられるか、ということの勝負です。だから、テレビは、視聴者の意識をずっとひきつけるために、ある程度ちょっとオーバーなことも含めてやらなきゃいけないわけですね。音がないという瞬間にしても、何秒も音がなかったら放送事故になってしまいますし、そういうシンプルな違いだと思います。
――――キャスティングについては、最初から決まっていたのでしょうか?
いいえ、プロデューサーと一緒に決めました。 ――――豊川悦司さんを主役にされた理由というのは?
かげりのある俳優さんというのが今はすごく少なくなりました。豊川さんもいろんな役をやっていらっしゃって、陽性のキャラクターもやっておられます。この映画の主人公には、なにか常に影がつきまとっているというところがありますから、それを表現できる俳優さんで最初に思いついたのは豊川さんでした。
――――会議室で豊川さんと笹野さんが二人で喋るシーンがよかったです。
今回は、すごくたくさんアップを撮ったんです。お芝居の説明のためのアップみたいなのじゃなくて、笹野さんの顔のしわとか、お金を出しても手に入らないような見事なしわでいらっしゃいますが、まさに、その年輪を刻んだ男の顔を撮りたいっていう、単純な思いで、撮りました。アップも多めに撮ったし、そういう撮りたくなるような顔の俳優さんを選びました。
普通は肌をきれいにするためにドーランとか塗ったりするのですが、今回、役者の皆さんに一切塗らないでもらって、しわとかしみとかがむしろ際立つ、しわもしみも男の勲章だと僕は思うので、本当にかっこよいし、そこを撮りたいなあと思いました。
――――撮りたくなる顔といえば、小澤征悦さんの顔なんて、特に撮りたい顔ではなかったですか?
あの人はおもしろい人で、今までああいう嫌な役をやったことがなかったらしくて。悪役をすごく楽しんでやってて、こういうのはどう?という感じで、テストをやるたびに、いろんなお芝居を見せてくれて(笑)、いつも俺は笑っていましたけれどもね(笑)。彼はなんで笑うんだよ〜という感じでしたが、途中から、笑うということは気に入ってる、ということなんだろうな、と思ったらしくて、僕が観て笑ってると、喜んでましたけどね。
――――劇中で小澤さんがリップクリームを塗るというのは、監督のアイデアですか?
いや、3シーン塗っているんですが、最初に、豊川さんが記者に取り囲まれてる時のを撮るときに「ちょっとリップクリーム塗ってもいい?」と聞くので、「まあ1回やってみて」と言って、やってもらったら、なんだかおもしろかったので。
口がさびしい、というのは、幼児性のシンボルでもあるでしょう。だから、爪を噛むとか、どこか幼児性が抜けていないようなところがあるじゃないですか。彼はそういう意識はしてなかったのだけど、なんか手持ち無沙汰だったから、今そこにあるもので、やってみてもいいですか?って言うから、やってみたらおかしかったので(笑)、そこだけじゃもったいないから、また使おうみたいな感じでもう1回話をして、何回かやってもらったりしました。
――――あれがぴったりで、際立った印象を受けました。そこにうまくからんでくる石橋凌さんも、すごく極悪な感じがして、よかったです。
観客は豊川さんの目線で映画を観ていってくれるのでいいんですが、あの二人は飛び飛びになってしまう。最初に台本の読み合わせをやった時に、とにかく皆さんに抑制したお芝居をお願いしたのですけど、やっぱり観客にもきっちり印象を残さないといけないということで、その度合いみたいなのは、石橋さんと小澤さんに関しては、結構、ワンカット、ワンカット確認しあいながら、やりました。
豊川さんとは、ほとんど何も‥‥。豊川さんの出番の2日目か3日目ぐらい、最初の方で、「震えて眠れ」というシーンを撮っちゃった。単純にスケジュールの事情でそうなっちゃって、最初は僕もええーと言ってたのですが、いざやってみると、ピークのシーンを最初にやれちゃったので、実は、以降がすごく楽になって‥‥。
巻島像みたいなのがなんか見えてきたような気がして。 ――――最近の映画はCGを使うものが多いですが、これは目や顔の表情で語る場面が多く、心理描写が見事で、久々に40代以上の年齢層が観れる、大人の映画が生まれて嬉しいです。
おっちゃんが格好いいと思うようになりました。僕は40歳ですが、昔、20代の頃って、おっちゃんが嫌いでした。30以上は信じるなという言葉がありましたが(笑)、大人のずるさみたいなのって、すごく嫌なんです。常に若い奴はそうなんですが。あおくさい正義感みたいなものの方が自分の中でしっくりしていて、大人のずるい立ち居振る舞いとかいうのは、なんかさ〜と思っていたんですが、段々年をとってくると、それがかっこいいというと変ですが、子供も嫁もいれば、いろいろ背負ってくると、きれいごとだけでは済まなくなってくる、ということがわかるような気分になってきて、そういう中でぐっと歯を食いしばっている大人って、かっこいいじゃん、と最近思うようになってきました。
大掛かりな設定ながら、一人ひとりの人物を丁寧に描きこみ、深みのある人間ドラマとなった本作。
警察内部のあつれきやマスコミの思惑の中で、巻島刑事が、孤立し、苦境に立たされながらも、過去の失敗を克服して、冷静に犯人を追いつめていく姿に感銘を覚える人は多いはず。罪のない子どもの命を奪った犯人を絶対許さないという、刑事としての自負心、決意が、豊川の寡黙な演技から、熱く伝わり、まさにみごたえのあるハードボイルドとなった。
取材陣から、監督としてのキャッチコピーを求められ、照れながらも“大人の色気”と紹介してくださった瀧本監督。40歳を迎えられ、これからますますの活躍が楽しみだ。 |
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『サウスバウンド』合同記者会見 |
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『サウスバウンド』
〜東京→西表島。
環境の変化と破天荒なオヤジの背中で深まる家族の絆〜
(07・日本/114分) 監督・脚本 森田芳光
原作 奥田英朗(角川文庫)
出演 豊川悦司 天海祐希 田辺修斗 松本梨菜 北川景子
松山ケンイチ
10月6日(土)〜梅田ガーデンシネマ、敷島シネポップ、TOHOシネマズ二条、シネカノン神戸、109シネマズHAT神戸 他ロードショー
公式ホームページ→
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直木賞受賞作品「空中ブランコ」や「イン・ザ・プール」の作者として知られる奥田英朗のベストセラー小説「サウスバウンド」を、『間宮兄弟』の森田芳光監督が映画化。
元過激派の破天荒な父親・一郎を主人公に、都会の生活を投げ捨てて、沖縄の西表島に移住する家族の騒動を描く。
矛盾を感じた事柄には「ナンセンス!」と一喝。極端な言動で家族や世間を困せる一郎を、演技派として多方面からひっぱりだこの豊川悦司がコミカルに熱演。そんな夫を尊敬し、長年支え続けている妻さくらには、豊川と『MISTY』以来11年ぶりの競演となる天海祐希。そして、風変わりな父親を冷静に見つめる息子役を本作が演技初挑戦となる田辺修斗。娘役には松本梨菜が抜擢された。 撮影を通して本当の家族のような絆で結ばれたというこの4人が、映画キャンペーンのため“一家揃って”大阪入り。監督を含む5人で会見を行った。
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―――まず、監督にお聞きします。この原作を映画化しようと思ったポイントは?
監督:はじめに、東京から沖縄に家族共々引っ越すという話の展開に惹かれましたね。一席のロードムービーであり、家族の心の動き、在り方が変わってゆく。ひとつの時間の流れとして、家族がドンドン変わっていく所が面白いと思いました。 |
―――監督ご自身で脚本を書かれるときは、誰が何を演じるかは想定されずに作業を進められるそうですが、この一郎役に豊川さんを選ばれた理由は?
監督:いつも一番決め手なのは魂がある人。魂を持っている人じゃないと演じきっていけないと思うので・・・その点、豊川さんの出演される映画を見ていると、色んな役をやっているなかで訴えかけるものがある。それをいかに自分なりのメッセージの出し方で、豊川さんのキャラクターを作っていけたら面白いかなと思い、お願いしました。
―――豊川さんと天海さんにお聞きします。今回はどこか突き抜けた感のある役ですが演じられていかがでした?
豊川:今回は本当にやりがいのある役で、難しかったけど楽しかったですね。この上原一郎という役は、役者冥利につきるすごくいい役だと思うので、自分がやれてラッキーでした。
天海:私も上原家の一員になれたことが嬉しかったです。上原家のお父さんは破天荒な言動と行動が多いですけど、今の世の中それだけで済ましてはいけないキャラクターだなと思いました。変わっている人が、こんなに浮いてしまう世の中もどうなのかなと思ってみたり(笑)その奥さんであり、お母さんでもあるさくらもある意味“理想”の女性像なのではないかなと思いますね。
―――演じられた役のどの辺りに魅力を感じられましたか?
豊川:すごく愛されるキャラクターであるところ。僕は寅さんに匹敵するキャラクターだと思っているんですけど(笑)。上原家のエピソードであと10コは企画が作れるくらい。エピソードが作りやすいというのもあるし、お父さんお母さん、3人の子供たちみんなキャラクターが立っているんで、色々なことが出来ると思うんですよ。ポジティブなエネルギーを持っている一家であるところがいいですね。家族5人のシーンが一番楽しかったです。 |
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―――天海さんが演じられたさくらは、一郎さんが大好き。役柄を作る上で何か考えられたことはありましたか?
天海:いやいや、もう。(豊川さんを指差して)コレですよ(笑)このままでいてくれるからもう大ファンになりますよ。お話の中でも太い幹で大木としていてくださったので、私たち家族はついていきやすかったです。 |
―――「ナンセンス!」という一郎の口癖について
豊川:あのセリフは原作にはなくて、監督がシナリオの段階で採用したもの。でも、今の時代に特に適応している言葉じゃないかと思いますね。ナンセンスという言葉は使われなくなりましたけど、ナンセンスという言葉が持っている意味合いとか定義みたいなもの。何でそうなるの?という事がたくさん起こっている世の中なので、逆に今の時代にマッチしているように感じますね。
―――セリフを言うときに何か監督から指示されたことは?
豊川:ユーモアをもってそのシーンを演じるようにという指示は受けました。本当に「あ〜なるほど。せやせや」っていうようなセリフがいっぱいあると思うんで楽しんでもらえたら。
―――梨菜ちゃんの天真爛漫な演技が素敵でした。森田監督から演技に対してアドバイスは受けましたか?
松本:私と桃子は性格が明るいところが似ているので、ごく自然のまま演じました。 ―――修斗くん、梨菜ちゃん、この映画の撮影で一番楽しかったこと、または辛かったことは?
田辺:一番楽しかったことはみんなで昼ごはんを食べたことです。辛かったことは、最後のシーンでNGをたくさん出してしまったことかな。
松本:楽しかったのは、映画の中でサンラーさんが上原一家をおもてなししてくれるパーティーみたいな所で、着物みたいな衣装を着れたことが楽しかったです。あと、辛かったのは船の上ではしゃぐシーンがあったんですけど、ずっと船の上に居たので酔っちゃって辛かったです。 |
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―――父の背中を見て成長する息子の姿とか、上原家って今現在求められているよう理想の家族像かなと思ったのですが、演じられて映画で得たもの、家族について改めて感じたことなどありますか?
田辺:えっと、映画の中のように家族を大切にした方がいいかなと思いました。
松本:「サウスバウンド」でちょっとしたことでも、信頼関係が深まったり家族の絆がもっと強くなるんだと分かりました。 |
豊川:家族にはどうしても甘えちゃいますよね。一番支えてくれるのも家族だし。それはある意味、自分ではなく神様が選んだ関係性だと思うので、そこを大切にしていけたら。昔の日本はそういう関係性を大切にしていたと思うけど、どんどんそういう関係性が希薄になってきている。改めてそういうことをこの映画を通じて感じてもらえたら嬉しいです。
天海:何回かご飯を食べているシーンが出てくるんですけど、必ず家族一緒に食べているんですね。尚且つ並び方も、お母さんの横に子供がいて…とかではなく、上原家は両親並んで子供に対峙しているのですよ。その辺の関係性もすごく素敵だなと思うし。お母さんのさくらさんからの立場で言うと、ずーとお父さんの大ファンで尊敬していて「お父さんはああいう人だから」とか文句を言うわけでもない。家族だからしょうがなく一緒にいなきゃいけないというのではなく、家族だからこそ一緒にいたいっていう相手を思いやる気持ちをもった上原一家はすごく素敵だなと思います。もう一度自分の家族を省みるきっかけになればいいな。
―――監督、最後に一言お願いします
監督:東京から沖縄にかけてこの家族以外に面白い人がたくさん出てきます。それを楽しみながら、ラストに中島美嘉さんの歌が流れる頃には、この映画に対する皆さんの思いが心に色々入ってきていると思うので、この歌で皆さんが何を感じるかっていうことが、この映画の結末になると思います。
「楽しく撮影をさせていただいたので、みなさんも楽しくご覧ください!」とは、一郎の娘・桃子役を演じた松本梨菜ちゃんのメッセージ。監督がオーディションで太鼓判を押したのも納得の存在感で、劇中でも会見でも、自分の立場を理解した鋭い勘のよさを見せてくれた彼女。どうやら、豊川&天海の身体も器もでかい両親に安心して撮影に臨めたようだ。そんな絆の強さが見える上原一家の会見は、梨菜ちゃんのほのぼの笑顔に癒され和やかムードのまま終了した。 |
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『めがね』合同記者会見 |
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『めがね』
(2007年 日本 1時間46分)
監督:荻上直子
出演:小林聡美、もたいまさこ、光石研、市川実日子、加瀬亮 9月22日〜梅田ガーデンシネマ、なんばパークスシネマ、京都シネマ、MOVIX京都、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー
新作紹介→
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『かもめ食堂』で、ゆったり、まったり感の温もりで私たちを優しく癒やしてくれたあのメンバーが、再び集結した! 今度は、北欧のヘルシンキから南の島が舞台。今回主演の小林聡美さんともたいまさこさんは、光石研さんが経営する民宿に泊まりに来たお客という設定。「たそがれ」をキーワードに、不思議な空気感が何とも言えない「癒やし」となって私たちを包んでくれます。今度の荻上監督ワールドにもハマルこと間違いなし!
その映画の魅力を、小林聡美さんと、もたいまさこさん、光石研さんに訊いてみました。
小林:とても気持ち良い映画に仕上がってます。
もたい:映画の中では「春の海」なんですが、ゆったりとした優しい映画になっておりますので、残暑の残る季節に皆様に観て頂けたら嬉しいです。
光石:よろしくお願いいたします。 |
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Q:空気感が大事な映画だと思いますが、どんな気持ちでこの映画に臨みましたか?
小林:映画の中ではそれぞれのキャラクターについての説明はないのですが、東京で本読みの時に監督から詳しい説明を受けて、ロケ地の与論島へ行きました。ところが、もの凄い癒やしパワーに遭って、スイッチがOFFになってしまって、仕事モードではなくなったんです。翌日のセリフも頭に入らない状態でして・・・
光石:僕も全く同じ状態で・・・去年の秋にお食事会があってから半年かけて『めがね』モードを浸透させていったのですが、結局島へ行ったらそんな努力が通じないような壮大さに圧倒されて、もう身を委ねるしかなかったですね。 |
もたい:まったく右に同じです(笑)。私の役は謎の多い人物でして、監督にお訊きしましても「謎のままで・・・」としか・・・。台本の中の空気感と島の空気感が一緒でしたので、その中で生活していけばいいんだなあ、という気持ちで臨みました。
Q:日本映画界でも名バイプレイヤーとして多くの作品にご出演の光石さんですが、他の作品との違いは?
光石:東京ベースで仕事をすることが多く、「少しでも多くの現場に顔を出したい」という気持ちで掛け持ちでやる場合もあったのですが、今回は1ヶ月間、他のことを考えずに集中できました。現場の中でもプライベートでも楽しんでやれば、穏やかな映画になるんじゃないかなって思っていたらその通りになりました。それに、小林さんを始めもたいさんや他の出演者の方やスタッフの方に本当に仲良くして頂いて、それを楽しませて頂きました。 |
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Q:この映画は「たそがれ」がキーワードになっていますが、みなさんは黄昏上手ですか?
小林:たそがれようとしてたそがれるものではないので、結果としてたそがれた、というのが望ましいと思います。日常では、犬と散歩して公園などでボ〜とたそがれています。
光石:この映画に出合うまで、「たそがれる」ということにピンときませんでした。でも、朝から働いて規則正しい生活をしていれば、夕方にはたそがれるんだ、ということに気付きました。それが発見でした! |
もたい:私はたそがれるのは得意でした(笑)。「おいおい何考えてんだ」とよく言われます。今でも忙しい時に、「旅行へ行ってみたいなあ」と思う時、ふらっと映画館へ行ってみたり、全然違う路線のバスに乗って全く知らない街の風景を見たり。そんなことでも、意識が変わったりしてたそがれることが出来る、というそんな映画であればと思っています。みなさんも、どこへも出掛けられないとき、この映画が役に立ってくれたら嬉しいです。
Q:今回も美味しそうなお料理がでてきましたが・・・?
小林:撮影したホテルの中庭は、風通しも良くて、とても美味しく食べられました。
光石:カット毎に温かく美味しい料理が出てきました。自分では料理は苦手で、調理するシーンは苦労しました。
もたい:せりふが少なかったので、食べることに専念できました。手をかけた物をゆっくり食べることは幸せなことで、とても豊かな気分にしてくれました。
Q:メルシー体操について
小林:宿泊していたホテルの隣の部屋がもたいさんだったんですが、終日メルシー体操の音楽をかけていて迷惑しました。
光石:みんなで体操する浜辺のシーンはとても微笑ましかったです。
もたい:自分が考案したという設定でしたので、力が入りました。他の人はいとも簡単に覚えてしまうのに、私だけが時間がかかってしまい、あせりました。今でも、音楽がかかると体操してしまいそうです(笑)。 |
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Q:「さくらさん」の人物像について?
もたい:全く考えませんでした。ファーストシーンから、外人のつもりでやりました。 Q:『かもめ食堂』から荻上監督は変わられましたか?
小林:距離感は変わりませんね。現場でも細かい指導はしないし・・・目で、「もうちょっと」なんて言うんです。
もたい:監督は恥ずかしがり屋さんで、いろいろ言わないのですが、ただ「あまりおばさんっぽくならないように」とは仰っておられました。『バーバー吉野』から通じるファンタジー性は変わらないと思います。 |
Q:『かもめ食堂』は女性に大変受けましたが、その反響について?
小林:自然と女性が共感するところが多かったが、意外と年配の男性の方にも好評でした。
光石:媚びたところがない。受けようと思ってやってないところがいいのでは?
もたい:外国ロケでオシャレな感じですよね。
Q:それぞれの印象は?
小林:もたいさんとは10代の頃からの知り合いで、お世話になってきました。今回の映画で、もたいさんの底力を感じてしまいました。光石さんとは初めてでした。経験豊富な方なのに、とても初々しい感じがしました。
光石:もたいさんとは一度共演しましたが、お話はしたことなかったです。小林さんとは今回が初めてです。お二人ともナチュラルで、女優らしくないところがいいですね。毎日一緒にお食事していて、とても居心地の良さを感じました。
もたい:光石さんとは、この作品で一気に親戚の間柄になりました。小林さんとは元から親戚の間柄です。ふところの深い人です。これからも一緒に仕事をやりたいですね。
「私も仲間に入れて!」とお願いしたいくらいの和やかな雰囲気の3人でした。お友達になりたいと思える普通っぽさがいい。この調子で、また私たちを癒やしてくれることでしょう。さあ、みんなで映画館へ「たそがれ」しに行きましょう! |
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『未来予想図』合同記者会見 |
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『未来予想図 ア・イ・シ・テ・ルのサイン』合同記者会見
〜思いが強いほど、願いはかなう〜
(2007年 日本 1時間55分)
監督:蝶野博
出演:松下奈緒、竹財輝之助、原田泰造、西田尚美、関めぐみ、加藤雅也、石黒賢、松坂慶子
10月6日(土)から梅田ピカデリー、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹他全国ロードショー
公式ホームページ→
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DREAMS COME TRUEの名曲「未来予想図」「未来予想図U」の世界観を映画化。互いの夢を追いかける中で、離れ離れになっていく現代の若者の等身大の恋愛模様を描く。雑誌編集者を目指し、恋に、仕事にひたむきなヒロインさやかに、女優だけでなくピアニスト、歌手としても多彩に活躍する松下奈緒さん、スペインの建築家、ガウディにあこがれ、建築事務所で働く心優しき青年、慶太に、『仮面ライダー剣(ブレイド)』(2004)でデビューした竹財輝之助さんが扮する。本作が初の長編監督作品となる蝶野博監督とともに、来阪。映画に込めた思いを披露してくれた。 |
監督:今年1月から準備し始め、時間的に厳しかったが、東京、スペイン、福岡で撮影があり、今回、短期集中型でよかったと思う。
Q;初の長編作品で難しかったところは?
監督:恋愛映画は基本的にあまりやったことがなかった。今回、音楽がテーマになっており、一番気にしたのは「未来予想図」という曲が、ただ単に映画の中で利用されているだけというのは嫌で、曲のいいところが映画の内容とリンクしている、ということと、(曲を聴く)それぞれの人たちの思いを裏切らないということを重
要に考えて撮影した。 Q:さやかという役に、同性として共感したところは?
松下:仕事を持ちながら恋に悩んだり、家族をないがしろにしてしまったり、優先順位をなかなかつけられないところに共感した。親を大切にしようとしたり、小さなことでもありがとうと言える気持ちとか、いいところだなと思いました。
Q:役柄的に一番難しかったところは?
竹財:今回、自然体でナチュラルな部分を撮りたいということだったので、役作りをほとんどしなかったところが難しかった。僕はいつも台本を読み込んで、つくって現場にもっていくタイプだったので、自然体の演技というのは初めての試みで苦労しました。
Q:ちなみに松下さんは実生活で5年も恋人を待てますか?
松下:待てないと思う(笑)。待つほうが待たせる側より辛いので、私なら半年も経てば無理だと思う(笑)。
Q:さやかはなぜ慶太をスペインに行かせたと思いますか?
松下:別れのシーンについては、さやかは本当に慶太のことを好きで好きでの結果、ああなったと思う。慶太の幸せがさやかの幸せだから、自分のせいで慶太が諦めてしまうのが一番辛い。自分が身を引けば幸せになれると考えたのだと思う。自分のことよりも慶太のことを考えた。決意の要る難しいことで、私ならついていきますと言ってしまいそう(笑)。
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Q:スペインでの撮影はどうでしたか?
松下:街中に世界遺産があふれていて、卒業旅行のシーンを撮影しながらも、観光しているのか、撮影しているのかわからなくなりそうな時もあった(笑)。でも、スペインに行って楽しいというのを、芝居ではなく、自然に出せたと思う。
竹財:撮影はすごく楽しかった。もともと、以前からガウディの建物が好きだったので、うれしかった。 |
Q:ドリカムの曲に対する思いは?
松下:初めて聴いたのが幼稚園、4歳か5歳の時だったので、歌詞の意味はわからないが、声が好きで、幼いながら印象に残っていた。この映画に出演が決まり、聴き直してみても、すごいという印象は十年前と変わらない。どこか懐かしいものという気がする。
竹財:小学校の頃、姉が聴いているのを一緒に聴いたのが初めて。
Q:歌詞の内容を読んでどうでしたか?
松下:絶対照れずにやろうと思っていたが、やはり恥ずかしいというところがあった。自分が普段、人に見せない顔をスクリーンの中に観て、こんな顔をしていたのかなと発見もした。歌詞の中で一番照れる、テールランプを点滅させたり、ヘルメットをぶつけたりするのは、映像でどうやるのか楽しみだったが、いざアイシテルとは、なかなか簡単には言えないと思ったが、ここが見せ場だと思って演じた。
竹財:歌のことは気にせず、一つの形としてやっていた。歌はそんなに意識していない。
Q:初めての恋愛映画を撮り終えてどうでしたか?
監督:若い人でも照れたところがあり、実は、僕のほうが相当照れていたが、これは封印しなければと思った。そこが一番大変なところだった。 |
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Q:主演の二人の印象は、映画の撮影前と後で変わったりしたか?
監督:最初の印象からは全然変わっていない。
松下さんで一番印象的だったのは、東京芸術劇場でモーツァルトのピアノ協奏曲第20番のピアノを、1500人ぐらいの聴衆を前に、フルオーケストラをバックに弾かれたとき。ちょっと怖いぐらいの雰囲気でしたが、実際会ってみるとすごく気さくな人で、今も変わらない印象。
竹財くんは、オーディションで選ばせてもらったが、当時と雰囲気は変わらない。
この作品は、ある意味、陳腐な物語なので、計算ずくでやるのでなく、逆に自然体でやるほうが役者にとっては難しいと思う。しかし、二人は上手いことやってくれたと思う。 |
Q:竹財さんは、ヒーローものは、完全に卒業ですか?
竹財:いや、そういうわけではありません(笑)。
Q:自然に演じるという演出での苦労は?お二人でどんな話をしてシーンをつくっていったのか?
松下:アドリブも入れたりした。こうしよう、ああしようということよりは、投げて、受けてとやっているうちに、楽しい雰囲気が出てきて、思わず“地”で笑ったりしているシーンもある。
竹財:こうしようとかはほとんど話し合っていない。現場で出た雰囲気をそのまま、監督がいいものとして撮ってくれた。
Q:学生のときとキャリアを積んだときと、5年以上の差について、演ずる上で意識した点は?
松下:服装や化粧は見た目でわかる。話し方、声のトーンとかは、十代から二十代の変化はすごくあると思う。大人はどこかすごく気持ちに余裕があったり、子供ではないけれど大人になりきれていないところとか、バランスよくできたらと思った。前のシーンが、十代、次のシーンが二十代のシーンだったりすると、こんがらかったりして大変でした。気持ちの切り替えとか、テンションの持っていき方が難しかった。
竹財:僕は年より若く見えるので、自分の経験していない年を演じるのは難しく、監督にも指示してもらい、間をとったり、トーンを落としたりして、落ち着いた感じを出した。
Q:ラストシーン以外で、ラブシーンがあまり出てこないのは?
監督:僕としては、映画の中でラブシーンは見せたくなかった。(ラブシーンを)映像にすることはどうなのかなという思いがあった。
Q:主演お二人のお互いについての印象は?
松下:少年のような部分と大人のような部分とを、両方とも持ち合わせていて、普段は冗談を言ってくれたりして、子どものようで、真剣なときは大人のようなお兄さんだなと。
竹財:第一印象は、すごくきれいな方。話してみるとすごく気さくで、少し男っぽい。さばさばとしていて、そこがありがたかったです。
Q:さばさばとした、というところを具体的にいうと・・?
竹財:僕はきれいな人だと緊張してしまって話せない。(松下さんとは)男友達と話しているみたいで、好きですね。あ、いまのは誤解して書かれそうですね(笑)。
松下:・・だそうです。(会場笑)。
Q:花火のシーンと二人の演技のシーンは別撮りだったのですか?
監督:はい、合成です。これは、現実的に一番いい方法をとった。あの場所で、実際に花火をあげるのが一番いいが、諸々のことを考えると合成にせざるをえなかった。花火は、事前に打ち合わせをして、全然違う場所で撮ったものを合成した。
Q:一番気にいっている好きなシーンは?
松下:ヘルメットでアイシテルのサインをするところ。十代だからこそできること。私も照れていたのですごく印象に残っている、ということもあるが、ストレートに愛してるといえるのは、なかなかチャンスのないこと。
Q:監督の印象は?
松下:お父さんみたい。撮っている最中は自由にやらせてもらい、だめなことについては「それはちょっとなあ」と言ってくれたり‥‥。撮っていないときは、とてもつっこみ甲斐があり、そこがおもしろくてよかった。真剣なときと真剣でないときのギャップがあって楽しかった。
竹財:暖かくて包んでくれるような方。撮ってないときは、すごくぼけを言って、なごませてくれた。僕が迷っていた時期があって、時間をさいて話し合いの場をもってくれたりして、お父さんみたいな感じでした。
まっすぐな瞳で歯切れよく答えておられた松下さんと、繊細でさわやかな印象の竹財さん。お二人の笑顔を絶やさず、ざっくばらんな雰囲気が心に残りました。
さやかの母親役を演じる松坂慶子さんと松下さんとのやりとりもみどころの一つ。家族や恋人、身近にいる大切な人への思いこそ、伝える機会はあまりないはず。だから、チャンスがあれば勇気を出して伝えて、という歌のテーマが、スクリーンで“カタチ”になりました。
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『ふみ子の海』〜高橋恵子 合同記者会見 |
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『ふみ子の海』高橋惠子さん取材
監督:近藤明男(2006年 日本 1時間45分)
出演:鈴木理子、高橋長英、高橋惠子 12月1日〜梅田ガーデンシネマ、12月8日〜京都シネマ、シネカノン神戸
作品紹介→
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10/18(木)京都南座での舞台「おわら風の盆」の合間、大阪のとある会場に駆けつけてくださった高橋さん。ほっそりとした体を黒のシックなワンピースに包み、やわらかに微笑む姿は“関根惠子”の面影をそのままに残しているが、これまでの女優人生のなかにはターニングポイントがあったとか。作品の話とともにその魅力に少しでも触れてみたい。
まず高橋さんから短い説明があった。
『ふみ子の海』のプロデューサー本間氏と監督の近藤明男氏はともに大映出身。そして、
“関根惠子”として15歳でデビューを果たしたのも大映だった。
そんな縁と、作品に魅力を感じたこと。また、5年前なら“キャラクターではない”と断っていた役柄だったが、蜷川幸雄氏の舞台「天保12年のシェイクスピア」で初めて悪女を演じたことからその面白さに開眼。今回の出演となった。
撮影は新潟で2006年2月末〜3月の約1ヶ月にかけて行われた。雪はすべて自然の雪で夏のシーンもこのとき撮影し、ふみこ役の(鈴木)理子ちゃんは震えていたが、小道具、照明、スタッフみんなが映画作りに誇りを持った、とても“映画らしい現場”だった。
その後、ロケ地が被災したことからチャリティーにも参加。 |
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―――― 実際に目の見えない方への取材はされましたか?
はい。その方は指導的立場ということもあって明るくしっかりした印象と、どこに何があるか、まるで見えているような動きに驚きました。
また、高田盲学校の最後の卒業式にもお邪魔させてもらいました。卒業生は4人だったんですが、とても喜んでくださって。“ここでふみ子は勉強していたのか・・・・”と思いました。
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演技をする上で難しかった点は?
目を開けた状態で見えない演技をするのが難しかったですね。
焦点を合わせないようにしましたが、どうしても目に表情が出てしまうので、最終的にはあまり考えすぎないようにしました。
あんまの師匠で、とても厳しい役でしたが、役柄にはすんなり入れました。
―――― 5年前なら断っていたということでしたが、何か心境の変化が?悪女を演じる魅力は?
優しい母親役に飽きたというのもありますね。見かけは厳しいのに温かみがあるとか、
一面的な役より裏があるほうが演じていて面白く感じます。
―――― 気に入っているセリフは?
セリフはたくさんありましたが「目の見えねぇモン同士だまし合ってたら、どんでして
生きていける」でしょうか。
最後のシーンではちょっと善人になりすぎたかな〜とあとで思いましたね。
―――― 監督からのアドバイスは?
先ほどのセリフのときには動きなどで指示がありました。
監督はこの作品が20年ぶりの撮影で、作品への思い入れもすごくあって、そういう空気が周りにも伝わりました。いいものにしようっていう。
―――― 声の出し方が特徴的でしたが、何か工夫はされましたか?
とくに意識はしていなかったんですが、自然とああなっていましたね。(低くはっきりとした発声)役によって声は変わります。今度の舞台では、また全然ちがいます。
――――かなり怖い役でしたよね?
普段は理子ちゃんたちとも冗談を言ったりしていたんですが、役に入ったとたん、
「はい!師匠!」と、こんなんなって(両肩を上げて縮み上がった様子)ましたね(笑)
―――― 舞台と映画のちがいは?
映画はカット割があって待ち時間がありますから、瞬間的に役に入って、また自分に戻る、舞台だと稽古は同じですが、始まると通しですから、そういう大きな違いがありますね。
―――― どちらが好きですか?
映画出身ですから映画の良さもありますし、舞台も観客の方の生の反応が感じられる面白さがあって・・・・・・どちらも捨てがたいですね。 |
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――――映画への出演が少ないのは?
夫が映画監督ということで皆さん遠慮されるというか、声がかけづらいようです。
全然そんなことないんですけどね(笑)
―――― 原作は読まれましたか?
はい。読みました。実際に(目が見えないという)経験がないので想像するしかないのですが、ふみ子のもっと学びたいという向上心、母親が子どもを思う気持ちが強く伝わってきて感動しました。
障害を持ちながら自分で生きてゆくというのは、大変です。大変だけどとても大切なこと。
それを応援したい。
人間にとって大切なものは何だろう?目が見えるからこそ見えなくなっていることがあるのではないか。それこそが私たちも学ばなければいけないこと。
それは、脳性麻痺で亡くなった兄を通じて普段から考えていたことでした。それも出演のきっかけとしてあったのかもしれません。 |
――――20代〜40代とずっと女優を続けてこられての変化は?
これからが、等身大の自分で女優としてやっていける時期だと思っています。
結婚して高橋になったとき、自分に近いところで演技ができると思いました。“関根惠子”という作られたイメージから開放されて。
その後、30代の後半で壁を感じました。39歳の頃は今より老けていたかもしれません。
42歳から舞台をやり始め、50代、60代を見据えるようになった。そうしたら、まだまだ若いと。
50歳になったとき、とても開放されました。
若くなければいけないということから開放され、家庭の仕事からも解放され。“何のために生まれてきたのか”“何がしたいのか”ということを改めて考え始めたのが50歳です。
何才になったからこうでなくてはいけないということに捉われずに、その人その人の個性を磨いていったらいいんじゃないかなって。これからはコメディがやりたいですね。
―――― 日本の映画界について
色んな映画があっていいと思います。でも、限られた時間のなかで、あと何年女優として仕事できるか?観た人に温かいものを感じて欲しい、感動してもらいたい、そう思ったら『ふみ子の海』もそうですが、自分も成長できるような作品をこれからも作っていきたいと思います。
感動するって大変なこと、感動する心を忘れると荒んでいく、という言葉が印象に残った。インタビューが始まる前から会場の設営を気軽に手伝って下さったり“中身が男っぽいもんですからね〜”と笑う姿から“しなやか”という言葉が浮かんだ。進化しつづける高橋さんをぜひスクリーンで確かめてみてほしい。 |
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『ふみ子の海』 近藤明男監督と鈴木理子
合同記者会見 |
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『ふみ子の海』近藤明男監督と鈴木理子ちゃん
監督:近藤明男(2006年 日本 1時間45分)
出演:鈴木理子、高橋長英、高橋惠子 12月1日〜梅田ガーデンシネマ、12月8日〜京都シネマ、シネカノン神戸
★作品紹介→
★高橋恵子さん取材記事→
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記者会見の始まりを待つ間、仲良さそうに話をしていた監督と理子ちゃん。「緊張してきた・・・・・・何人いるんだろう?」と記者の数を数え、監督に(質問は)「一人10コぐらい?」と聞く様子はまるで先生と生徒のよう。映画界から久しく離れていた近藤監督が15年ぶりにメガホンを取った『ふみ子の海』。そして、12才の理子ちゃんが“こんなに感動したのは初めて”というこの作品への思いをそれぞれに語ってもらった。
――――
ヒロインに理子ちゃんを起用した決め手は?
監督:最終選考で三人まで絞ったときには、芝居の面では甲乙つけがたかったが、(芝居をし ていない)休憩中の様子を見て理子ちゃんに決めました。普段は本当に自然で、芝居に入
るとスッと変わる。あとで聞いてみるとスタッフ共通の印象だったようです |
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―――― ヒロインに選ばれた時どう思いましたか?
理子:原作を読んで、強くて前向きで、一生懸命生きているふみ子の姿に感動して、ふみ子になりたいと思っていたので、すごく嬉しかったです。でも、受かったことが信じられな
くて、(1ヶ月ぐらいして)あんまの練習に呼ばれたときになって初めて、本当だったんだ
と思いました。 |
――――
一番好きなシーンは?
理子: 桜の花びらを食べるシーンです。 ――――
ふみ子と自分を比べて似ているところ、違うところは?
理子: 明るいところが似ていると思います。頭がいいところは似ていないと思います。 ――――
泣いたところはありますか?
理子: 撮影中は泣いてなくて、台本を読んだときには泣きました。 ――――
山口百恵さんの再来では?
監督: 高峰秀子さんに似ているという話は出ました。(高峰さんの)昔の作品を見ると確か
にどことなく似ています。 ―――― いじめや逆境に耐えるようなシーンはなかったですね?
監督: そういうドラマの作り方はしないようにしました。撮影スタッフにもお願いしました
し、後で手直しもしました。
―――― 遠藤憲一さんは怖い役でしたね?
理子: 「オレこんな役いやだよ〜」とか言って、普段は優しくて役とは全然ちがいました。
監督: 怖いよね〜オレだって怖いよ〜(笑)あの役だけは割を食ってしまった形ですが、
たまたまロケで池をみつけたので入ってもらいました(笑) |
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―――― あのヘアスタイル(おかっぱ)にしたときはどんな気持ちでしたか?
理子: ちょっと悲しかったですけど、あれがなかったらふみ子になれなかったと思います。
―――― 将来の夢は?また憧れている人は?
理子: 女優さんです。瀬戸朝香さん。 |
――――
実際に目の見えない方に会われたそうですが、役作りの上で何か質問しましたか?
理子: みなさん、全力で走ったり、縄跳びしたり、キャッチボールしたりされていたので、自分も(演技が)わざとらしくならないようにやりました。それは、とくに質問をしなくても見ていてわかりました。
監督自身のブランク、難航した資金集めに加えて、ロケ地 新潟での二度の被災という困難を乗り越え、7年の歳月を経て完成した『ふみ子の海』。
なぜ海なのか?原作者の市川氏が近藤監督に語ったところによると、市川氏が生徒を海に連れて行ったとき、生徒たちは砂浜がわからなかったという。海もプールのようにコンクリートでできていると思っていたそうだ。そのときのショックから作品のモチーフに選ばれ、繰り返し海に思いを馳せるふみ子を通じて“目の光を失っても心の光を失ってはいけない”という作品全体のテーマへとつながってゆく。
理子ちゃんは、ふみ子を演じて強くなれたと語った。物語が逆境に耐える形にならないよう監督が心を砕いたのも、理子ちゃんと同じように、そこに希望を見出して欲しかったからにちがいない。
<日本赤十字社 滋賀県評議員 小寺志げ子氏から寄せられた手紙>
ヘレン・ケラーさんと京都駅でお会いした際、 「お一人、お一人の心の中のまたたく星と、心を照らす光を永久に消さないで下さい」
と仰っていたお言葉が映画を観まして懐かしく思いだされました。 |
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『エディット・ピアフ〜愛の讃歌』〜特別試写会&ミニ・コンサート |
『エディット・ピアフ〜愛の讃歌』スペシャル試写会&クミコミニライブイベント
【日時】2007年9月21日(金) 開場18:00 開演18:30※終演予定 21:40頃
【場所】リサイタルホール
【プログラム】
第1部:クミコミニライブ(ピアノ:上條泉)
第2部:映画『エディット・ピアフ“愛の讃歌”』上映
・・・・・司会:小崎くに子
<料金> 3,800円(クミコ イメージミニアルバム付チケット 全席指定・税込)
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【ミニ・レポート】
♪エディット・ピアフの歌6曲を歌い終え、一瞬静まりかえった後、ワッとどよめくような拍手の渦・・・
♪特別試写会の前に、シャンソン歌手・クミコのミニ・コンサートが行われた。「ピアフの前座をつとめられて嬉しい」と語るクミコ。「25年経ってやっとピアフの歌がうたえるようになった」とも。
♪ ミニ・コンサートとはいえ、熱のこもったクミコの歌に、彼女のピアフへの敬意が感じられた。また、波乱に満ちたピアフの人生の重みを誰よりも理解し、ピアフへの想いを込めてうたっているようにも見えた。
♪ 『エディット・ピアフ〜愛の讃歌』の試写とクミコのミニ・コンサートは、他に例を見ない感動的なスペシャルイベントとなった。
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♪改めて映画を見直して、エディット・ピアフは壮絶な人生だったが、心から愛するものを持っていた、純粋で幸せな人だったのでは、と感じた。「歌ってこその人生じゃないの,舞台で歌わなきゃ」というピアフの言葉が、彼女そのものを表している。愛することを恐れず、愛し尽くし、心に受けた歓びも痛手も謳うことで昇華したアーティスト・エディット・ピアフ。
♪ 彼女の歌と人生に触れて、この上ないパワーをもらったようで、終映後パブへ直行し、女性同士、ワイン片手にピアフ談議に花を咲かせた。・・・ああ、充実したいい気分の夜でした♪♪♪ |
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『エディット・ピアフ〜愛の讃歌』〜歌手のクミコ記者会見 |
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『エディット・ピアフ〜愛の讃歌』公開記念
「クミコ meets ピアフ」
〜世界が永遠に語り継ぐ伝説の歌手
エディット・ピアフの物語〜
「エディット・ピアフ 愛の讃歌」
(2007年 フランス・チェコ・イギリス 2時間20分)
監督:オリヴィエ・ダアン
出演:マリオン・コティヤール、 シルヴィ・テステュー
パスカル・グレゴリー、 エマニュエル・セニエ
9月29日、全国ロードショー
公式ホームページ→
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シャンソンの女王エディット・ピアフ。「愛の讃歌」「バラ色の人生」「水に流して」等の曲で有名ですが、みなさんはご存じですか? 「シャンソンはちょっと・・・」と関心がない方も、この映画を観ればピアフの存在の大きさとシャンソンの魅力に感動するはずです。そして、誰かを愛することが、生きるためのエネルギーになることを改めて実感するはず。
この映画は、病床のピアフが、「私が死んだらどうせ誰かが私の伝記を書くでしょうから、その前に自分で書き残すわ」と言って書いた自伝に基づいています。だからこそ、スクリーンの中にピアフが甦ったようなリアリティがあり、ピアフを知らない人でも、その力強い歌声と凄まじい生き様に圧倒されることでしょう。 |
この度、映画『エディット・ピアフ〜愛の讃歌』公開記念に、歌手のクミコさんがエディット・ピアフの歌を集めたイメージミニアルバムをリリース。そのキャンペーンのため来阪されましたので取材してきました。
――――ピアフの歌のコツは?
コツなんてとんでもない!ピアフは神様みたいな人ですから、畏れ多くて今まで歌えませんでした。実は、20代の頃一度歌ったのですが、自分でしらけちゃって二度と歌わなかったんです。聴いていらっしゃる方は皆さん大人の方ばかりで、何も流すもののない若い私が「水に流して」を歌っても、“お前TOTOのまわしもんか?”なんて言われかねないような気がして(笑)
でも、今回この映画とのコラボレーションとして、イメージミニアルバム『クミコmeetsピアフ』を出したのですが、以前の私だったら逃げ腰になるところでした。今の私は、47歳で亡くなったピアフよりも6歳も年上になっていて、それまでタブーとしてきたピアフの曲を歌うのも、そろそろいいかな、と思えるようになったんです。人生もそれなりに追いついてきたし、気負わず、今の自分のままでいいんじゃないかな、と思ったら頑張れましたね。 |
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――――ピアフの存在の大きさ、凄さとは?
とにかくいい歌を沢山残していることですね。それから、“波瀾万丈”という言葉が陳腐に思えるほどの凄まじい人生を生きてきたことでしょうか。よく思うのですが、ピアフと日本の美空ひばりとアメリカのビリー・ホリディの3人は、神様から使わされた特別な人物だと思います。凄く辛い人生になるけれど、それぞれの国へ使わされて、いい歌を残して、そして、また神様に召される、というような。特別な使命をもって生まれた、正に伝説上の歌姫なんですよ。 |
――――同じ表現者として、マリオン・コティヤールの演技はいかがでしたか?
最初観たときにびっくりしちゃって!ピアフそのものじゃないの?と思えるほど似てた!この映画は、晩年のボロボロになったピアフが頻繁に出てきてますが、それは非常に珍しいことだと思います。それを正面から描いたのにも驚いたけど、それを演じた女優も凄い!
この間監督とマリオン・コティヤールが来日してお会いしたのですが、これまたびっくり!
信じられないような若さで、信じられないような美しさで、これまた信じられないような背の高さ!168pはあると。
ピアフは147pしかない非常に小柄な人だったので、撮影でもいろいろ工夫されたのではないかな、と思ったら、やはり、相手役に踏み台を使わせたり、アングルを変えてみたりしたそうです。監督の技術と女優の演技力で、ピアフを甦らせた凄い人達だと思いました。それにしても、監督は小さい人でね、どこにいるんだってね(笑)
――――印象に残ったシーンは?
亡くなる3年前、“もう歌わない”とすっかり弱ったピアフのアパートに、“この曲を聴いて下さい”と作曲家が「水に流して」を披露したシーンですね。“私の歌だわ!舞台に立たなければ”と再起するシーンには感動しました。
「水に流して」という曲は、こんな状況でピアフを力付けた曲だったんだということを初めて知って、曲自体の凄さを改めて実感しました。20代の頃、この曲を歌って自分にはピアフは歌えないと思いましたが、“そりゃそうだよ、こんな曲だったんだよな、歌える訳ないじゃん”とね(笑)
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――――今回、ピアフの曲を歌って再確認したことは?
レコーディングの前、3日間コンサートで歌ったんですよ。20数年ぶりに歌うものですから、恐る恐る人前に出したんですが、お客様が“わかった”ときちんと受け止めて下さって。昔赤っ恥かいた時と同じ歌なのに、“そうか、自分にも人生、流れてたんだなあ、やっとリアリティを持って歌えたな”という実感を持てましたね。ようやく、歌に追いついたという感じですね。
――――日本のシャンソンとフランスのシャンソンとの違いは?
私自身は、シャンソン歌手としては異端児でして、日本のシャンソンには批判的でしたね。日本のシャンソンは、何かフランスへの憧れが強すぎて、フランスへ1回も行ったことのない私には馴染めないものがありました。でも、今年の初め、シャルル・アズナブールさんに会うために初めてパリへ行きまして、やはり人を寄せ付ける何かを感じました。 |
――――この映画をきっかけにシャンソンブームになるのでは?
そうなって欲しいと思います。シャンソンって過去の遺物ではなく、今もこれからも生きている歌ですから、世代を問わず聴いて頂ければ嬉しいです。
――――この映画で共感したことは?
人を愛することをためらわない、愛に対して後ろ向きにならない、無様でもいいから最後までやり遂げる、というところでしょうか。とてもカッコイイなあと思うし、見習いたいことでもあります。これらは人生でも必要なことだと思うし、躊躇しないでやり遂げようって。
――――若い人へのアピールは?
ピアフみたいにエネルギーを出し尽くす人生もあるんだよ、ってところを見てほしいですね。今はがむしゃらにならなくても生きていける時代なので、人間って、人生って、こんな人生もあるんだよって、再認識してほしいと思います。それらを見て、びっくりするかもしれないけど、励まされることだってあると思うんです。人間って生身の生き物なんだってことを実感して、精一杯生きてほしいですね。 |
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『ヒートアイランド』〜伊原剛志合同記者会見 |
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『ヒートアイランド』
(2007・日本 1時間46分)
監督 片山修 脚本 サタケミキオ 原作 垣根涼介
出演 城田優 木村了 北川景子 伊原剛志 細川茂樹
松尾スズキ
10月20日(土)〜テアトル梅田 なんばパークスシネマ TOHOシネマズ泉北 MOVIX堺 MOVIX八尾 ほか
公式ホームページ→
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渋谷でファイトパーティーを開催し、賭け金を荒稼ぎするギルティのメンバー。ある時、リーダーであるアキのいいつけを破り、仲間の1人タケシがある事件をおこす。さらに、タケシが事件場から持ち帰ったバックには、どうみてもヤバイ3000万もの大金が入っていた!それを機に、ギルティのメンバーはある4つの組織から追われる羽目になり…。 |
垣根涼介のベストラー小説「ヒートアイランド」を、「花より男子」の脚本家サタケミキオと「木更津キャッツアイ」の監督片山修が映画化したギャング・エンターテイメント。東京の中心であり、流行の発信地でもある渋谷を舞台に、若者ギャングのギルティ・西と東のヤクザ・プロの強盗団、さらには南米マフィアまで交えておくる激ヤバ現金争奪戦を描く。
主要な登場人物18人(!)が、伏せんと小ネタの隠されたストーリー上で複雑に絡み合う様子をスピーディーに見せる圧倒的な脚本力が魅力の本作で、渋谷のカリスマ的存在ギルティのリーダーに抜擢されたのは大ヒットドラマ「花ざかりの君たちへ
イケメン♂パラダイス」にも出演していた注目の若手俳優・城田優。そんな彼を徐々に追い詰めていくプロの強盗・柿沢を優雅な大人の振舞いで渋く演じたのは『硫黄島からの手紙』でハリウッド映画にも出演を果たした伊原剛志。目下、新作映画の撮影中という伊原だが、忙しい合間をぬってキャンペーンのために来阪。地元・大阪でのインタビューに応えてくれた。 |
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―――今回映画の舞台は渋谷となっていますが、関西人の伊原さんから見て渋谷の町の印象は?
今は、時々車で街中を通るくらいで渋谷では遊ばないですけど、高校卒業後上京して初めて渋谷に来たときはビックリしましたよ。スクランブル交差点で、お祭りやってるんかと思ったくらい(笑)。
―――この作品に出演しようと思った決め手は?
今回はもともと脚本家が友達だったのと、連ドラで一緒になったこの片山監督ともう一度仕事をしてみたいと思ったからですね。あと、脚本が面白かった。今までの邦画にないノリとテンポ。一筋縄では終わらない練られたストーリーとか。色んな話が絡んでいくまさにエンターテインメントなところが気に入りました。
―――硫黄島のすぐあとに撮影されたそうですね。役作りの部分ではどういうところに気をつけられましたか?
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| 監督からは自由にやってくれと言われていたので、脚本に書かれていない部分をどう演じて行くかを考えました。柿沢は強盗をやっていて楽しいのか?とか、何のためにやっているのかとかね。
―――何のためにやっていると考えられますか?
それはやっぱり、自分の存在意義とか価値を見出すためにやっているんじゃないかな。金を取ったからといってハッピーになるわけじゃない。それを自分の中でプロフェッショナルなスタンスに徹して、妥協せずにやっている。そうしないと自分が存在しないみたいなね。そんな妄想をしながらやっていました。 あと、この作品はアクション映画なんですけど、ボクはほとんどアクションがないんですよ。だから画面の中にいる“姿”がアクションになっているように心がけました。歩いている姿や銃を構えている姿が、アクションっぽく絵になるように。
―――共演者の城田さんの印象は?
ほとんど一緒のシーンはなかったので…。でも、若い子らみんな礼儀正しくていい子達でしたよ。
―――入り組んだストーリーゆえ、撮影ではまったく絡まなかった俳優さんが多くいると思いますが、出来上がりを見てみていかがでした?
自分のところはあまり冷静に見れないですが、パパイヤ鈴木さんと谷中さんの南米マフィアが面白かった(笑)あの2人は本当にあっちの人みたいでしたよね。あと関西ヤクザの近藤さんがよかったですね。あのインチキ臭さが。
―――伊原さんはこの映画のように危ないことに巻き込まれた経験とかありませんか?
危ないことですか?…ないですね。まじめに生きてるんで(笑) |
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―――渋谷でのロケは大変じゃなかった?
本当に渋谷でロケしてるんで、撮影前に物陰に隠れていてパッと出て行ってサッと終えるみたいなね(笑)。でも、まぁ背後に人が写っているところとかはエキストラですけどね。
―――原作は柿沢とアキのシリーズが続いているみたいですね。
そうなんですよ。それを見越して今回のラストシーンも作っているんです。お客さんの入りで続編が出来るか決まります(笑)
―――では最後に、これから見られる方へのメッセージを。
今までに無いようなテイストの作品になっているので、気楽に劇場に足を運んで楽しんでください。1時間46分で長くないですし(笑)そういっても、決してチープな映画ではない。ちゃんと作っているので、ぜひご覧ください。 |
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『パーフェクト・ストレンジャー』〜シルク舞台挨拶
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『パーフェクト・ストレンジャー』
(2007年 アメリカ 1時間40分)
監督:ジェームズ・フォーリー
出演:ハル・ベリー、ブルース・ウィリス、ジョヴァンニ・リビジ 9月29日からナビオTOHOプレックス、なんばパークスシネマ、梅田ブルク7、TOHOシネマズ二条、神戸国際松竹にて公開
新作紹介→
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ラスト7分11秒は口外禁止!ラストまで絶対に犯人は見抜けない!と、サスペンス好きにはたまらない大どんでん返しが話題のハル・ベリー主演『パーフェクト・ストレンジャー』。新聞記者のロウィーナが、幼なじみのグレースが変死した事件を追う内に、謎だらけの事件の深みにはまっていくという内容。もちろん映画としても楽しめるのだが、本作の特筆すべき魅力はやはりハル・ベリーの美しさではないだろうか。とても42歳とは思えない美貌には目を見張るものがある。 |
そんな彼女の美しさに、関西を代表して挑む“浪花のハル・ベリー”こと吉本興業のタレント・シルクが大阪・厚生年金芸術ホールで行われた『パーフェクト・ストレンジャー』の試写会にかけつけた。
なんと『ジャングル・フィーバー』(91)の頃からハル・ベリーは好きで見ていたというシルクは、「『チョコレート』でアカデミー賞を取って以来、彼女はどんどん綺麗になっている。ハリウッドにキレイな人はたくさんいますけど、ハル・ベリーは多分、自分の持っているものを最大限に良く見せることを知っていますね!!」と力説。そして、「みなさん映画みたら分かりますけどね。目線・服装・髪型・ぜんぶスゴイですよ。ビックリしますよ!?私も年を重ねるほど美しくありたいと思っているので、もうピッタリですね」と芸歴ウン十年の話芸でまくし立てた。 |
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さらに、ハル・ベリーの美しさには負けるが、自らの経験を基に梅田花月で月に一度女性限定の“べっぴん塾”を開き、美に関する色々な活動をしているという彼女が、試写会に集まった観客を相手にフェイストレーニングの実践を開始。目のシワを取る方法、ほうれい線のなくし方などを指導し、満席の会場が美の教室へと大転換した。
その後、映画の見どころについての質問に「人間の二面性。人は誰でも叩けばホコリの出る体なんですよ。みんな秘密を持っているんですよね。それを知った友だちが、どういう反応をするか。それによって信頼度がわかりますね。あと、ハル・ベリーの身分がバレそうになる、窮地に立たされる場面があるのですが、何があっても度胸で、根性据えて、嘘を突き通すと、案外いけるんやなということが分かり勉強になりました(笑)」と語ってくれた。 |
内面の美しさについては「恋をすること」と切り出すシルクに、気になるあの監督との交際へ質問が飛ぶと…「応援も行ってるし、食事もしますよ。でも私、英語話せるのにいつも通訳さんが付いて来るんですよ」との余裕の答えが。どうやら公私共に順調なのが、彼女の美の秘訣らしい。それはハル・ベリーならぬ女性全員に共通するところだろう。
最後に、シルクさんがハル・ベリーに“パーフェクト”に勝っているなと思うところは?と聞くと、すかさず「化粧品の量かな」と切り返す。…さすが、芸歴ウン十年。美の追求も芸の肥やしにする浪花のハル・ベリー、あっぱれである。 |
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『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』〜伊藤英明舞台挨拶
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「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」
〜伊藤英明 舞台挨拶〜
(2007年 日本 2時間1分 PG−12)
監督:三池崇史
出演:伊藤英明、佐藤浩市、伊勢谷友介、木村佳乃、
桃井かおり、クエンティン・タランティーノ
9月15日〜梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹他にて
全国ロードショー
新作紹介→
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西部劇(アメリカ)、マカロニウェスタン(イタリア)、と聞いて血が騒ぐ方は多いだろう。でも、若い世代の中には見たことも聞いたこともない、という人もいるかも?
この映画は、乗馬はアメリカンタイプで、音楽・映像・アクションはイタリアン、そしてお話と役者はジャパニーズ、まさにそれぞれの良い材料を集めたスキヤキみたいな“御馳走シネマ”なのだ!当然、出演者も豪華!伊藤英明、伊勢谷友介、佐藤浩市、木村佳乃、香川照之、安藤政信、桃井かおり、小栗旬、など今の日本映画界の顔を集めている。オマケに、B級映画オタクのクエンティン・タランティーノまで出演しているのだから、おかしくて堪らない!さらに、全編英語で、ロケは山形県の蔵王山麓、季節は晩秋から冬にかけて。さぞかし大変な撮影だったと想像できる。
9月16日、公開2日目の大阪・梅田ブルク7で舞台挨拶が行われ、主演の伊藤英明さんが登壇した。 |
| 伊藤:こんばんは!いや、こんにちは!今日はお越し下さいましてありがとうございます。
観客:カッコいい〜!
司会:「カッコいい」って言われ慣れてますよね?
伊藤:そうですね!
司会:みなさん、今映画をご覧になって如何でしたか?
観客:カッコ良かった〜!面白かった〜!
伊藤:日本でもウェスタン、イケると思いませんか?
観客:(拍手!)
伊藤:今日は女性のお客さんが多いのびっくりしました。ウェスタンとか時代劇は男の世界ですから、女性の方に“面白い”と言って頂いて嬉しいです。
司会:これからも、ウェスタンを女性の方に楽しんで頂きたいですよね?
伊藤:でも、日本では二度とウェスタンは作られないと思います。
司会:あらっ、そうなんですか?
伊藤:中々難しいですから。
司会:やっぱり、撮影では大変なことはありましたか?
伊藤:いっぱいありました。全編英語ですから・・・。一番びっくりしたのは、ジャンゴは平八少年だったってことですね。僕はガンマンの役だったのですが、最初ジャンゴは誰なんだろうと分からなかったんです。周りも“やっぱお前だろう”って言うんでそう思っていたんです。ところが、試写でそれが平八少年だったって分かったときには、座席からズルって落ちましたからね!
司会:ジャンゴは私じゃなかったのか?!
伊藤:マカロニウェスタンも日本の平八少年が広めた、ということになってますからね。
日本からイタリアへ行って、さらにアメリカへ行くことになってます。どこまで厚かましいんだ、三池監督は! |
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司会:ヴェネチアは如何でした?
伊藤:最後に平八少年がマカロニ・ウェスタンを広めたってことに、さすがにイタリア人も怒るだろうと思ったら、映画が終わった時パッと立って拍手してましたからね。
司会:スタンディングオベーションなんて、震えましたでしょう?
伊藤:それが、酔っぱらってて何も覚えてないんですよ・・・。
司会:そうなんですか?
伊藤:向こうでは100社以上の取材があって、その日もお酒を飲みながらやっていたんですよ。途中で気分が悪くなってきて、このままだと眠ってしまうので、眠らないよう更にお酒を飲み続けていたら酔っぱらっちゃって!やっとレッドカーペットを歩くという時にはもう深夜の12時になってましてね・・・まったく覚えていないんですよ。
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司会:ええっ?レッドカーペットの一歩、二歩を覚えてないんですか?
伊藤:全く覚えてないですね。なんか走り廻ってたらしいけど・・・。
司会:それなりのジャパニーズ・ガンマンのインパクトを植え付けたみたいですね。
伊藤:そうですね。
司会:先程、日本では二度と作られないと仰ってましたが、続編という声もあるみたいですが?
伊藤:そうですね・・・
司会:あまり乗り気じゃないみたいですね?
伊藤:頑張ります!・・・それでは、質問タイム!
質問1:伊勢谷友介さんや佐藤浩市さんや劇団ひとりなど、ライバルと思う人はいますか?
伊藤:う〜ん・・・友介さんや佐藤浩市さんはすっげえカッコいいですよ・・・あまり普段から人をライバルと思うことはないですよ・・・。
質問2:この映画の中で好きなセリフは?
伊藤:覚えてないなあ・・・「ハロー!」ぐらいかな?
質問3:芸能界で一番の仲良しは?
伊藤:海老蔵!
観客:ええ〜っ? 佐藤隆太くんは?
伊藤:仲はいいよ。隆太も今忙しいからなあ。
質問4:ハリウッド進出を考えていますか?
伊藤:いろんな方から言われるんですけど、日本が発信する作品でハリウッドへ行きたいですね!
全員で、イェ〜イ!!!
この日もノリノリの伊藤英明さん。“カッコいい!”と言われ慣れているせいか、ええカッコせずにざっくばらんな口調で、司会もタジタジ。撮影のため客席に降りると、前列の観客の握手責めにも気軽に応じていた。撮影現場でも、この調子だったのか?それとも、英語のセリフを覚えるのに必死だったのか?あれだけの俳優を揃えた現場での様子を是非聞いてみたいものだ。
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『卑劣な街』〜チョ・インソン舞台挨拶
& 記者会見 |
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『卑劣な街』
(2006年 韓国 2時間21分)
監督:ユ・ハ
出演:チョ・インソン、チョン・ホジン、ナムグン・ミン 2005年より開催されている“韓流シネマ・フェスティバル”も、今年で
3回目を迎えた。日本未公開の韓国映画を観ることができるとあって、韓国映画ファン にはたまらない、年に一度の“祭典”だ。 そして、2007年の“韓フェス”は「作品主義宣言」をテーマに掲げ、より質の高い
バラエティに富んだ作品の数々で韓国映画の新たな“可能性”に触れる機会を与えてくれる。 |
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その作品の一つである『卑劣な街』は、バイオレンスな描写の中に人生の やりきれなさ、狂気の中に潜む純粋さを見事に息づかせたアクション・ドラマ。
あるヤクザの男が、自分の部下や家族を養っていくための“成功”を手に入れようとして 人生を歪めていく壮絶な物語は、韓国ヤクザ映画の傑作『グリーンフィッシュ』や『友へ/チング』に負けず劣らず衝撃的で、心を揺さぶられる。
この映画の主人公、ヤクザのビョンドゥを演じたチョ・インソンが作品の公開を記念して来阪。舞台挨拶と記者会見を行い、作品の魅力などについて語ってくれた。
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彼の登場をいまか、いまかと待ちわびる女性たちで埋め尽くされた会場は異様な熱気に包まれていた。そして、現れた彼は映画の中とは180度違う柔らかな空気の持ち主で整った顔立ちが驚くほど美しく、あちこちからため息が聞こえてきた。
インソン:はじめまして、どうぞよろしくお願いします。(日本語で)
司会:みなさん、チョ・インソンさんですよ、本物ですよ! |
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インソン:本当にチョ・インソンです(日本語で)(会場笑)
司会:今日は新幹線に乗ってこられたということなんですけれども、大阪にくるのは
2度目なんですよね? インソン:はい。今日、最初は走ってこようと思ったんですけれども、距離があるので
新幹線に乗ってきました(イタズラっ子のような笑みを浮かべるインソンに、会場笑) |
司会:インソンさんは、この作品で大韓民国映画大賞・主演男優賞を受賞されましたが、実際に作品が完成したときにご自身でも、これはいい作品になったという自信みたいなものはありましたか?
インソン:正直にいいますと、自信はなかったんです。映画の撮影中でもこの映画を観客の方やみなさんがどのように観て下さるのか、どのように受け入れて下さるのか常に考えながらワンシーン、ワンシーン撮りました。
司会:今回のビョンドゥという役は、成功のために自らが犠牲者になってしまうという非常に精神的な面でも難しい役柄だったと思うんですが、ユ・ハ監督の演出は厳しかったですか?
インソン:本当に、この映画で私ができたことは少ないです。素晴らしい監督がいて下さって、私以外の俳優さんたちが一生懸命頑張って下さったのでこのような素晴らしい作品が出来上がったのだと思います。
司会:非常に謙虚におっしゃられていますが、でもやっぱり主人公あっての作品だと感じましたよ?
インソン:ほんとに…?(日本語で)(会場笑)
司会:今回の作品は今までの役柄とずいぶん違っていたと思うんですが、この作品を選んだ理由というのは、やはりシナリオが良かったからというのが大きかったのでしょうか?
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インソン:まずこの作品を選んだ1番の理由は、ユ・ハ監督と一緒にやってみたいと思ったからです。2番目は「春の日」というドラマを終えたあとに、次は映画に出たいと思い、そして強いキャラクターを演じたいと思っていました。そのようなシナリオを読んでいる中ユ・ハ監督から連絡がありまして、この役のことを聞いて決めました。私にとってその選択は最高の選択だったのではないかと思います。また、いろんなことを学んでいろんなことを感じた作品でもありました。
司会:これからいよいよ映画が上映されるわけなんですが、この作品の見所を教えていただけますか?
インソン:そうですね…この『卑劣な街』のアクションシーンというのは他の映画と比べて、決して華麗なアクションシーンだとは言えません。しかし、心を込めた、感情を込めたアクションシーンであるということをみなさんに感じていただければと思います。
ひとつひとつの質問に丁寧に答えながらも、時折はにかみながら冗談を言うお茶目な一面に、会場中の女性が母性本能をくすぐられっぱなしだった。また、観客の方と日本語での会話に挑戦するという一幕もあり、終始和やかなムード。彼は最後に、「今日は日曜日であるにもかかわらず、このように映画を観に来て下さったみなさんに感謝いたします。少し映画の時間が長いですが、みなさんぜひゆっくりと楽しんで、そして気をつけてお帰りいただければと思います。本当にありがとうございました。」と締めくくった。 |
続いて行われた記者会見では、今回の役柄などについてさらに詳しく語ってくれた。
Q:この映画は、家族のためによかれと思ってやってきたことが裏目に出てしまう男の哀しさが凄く出ていたと思うんですけれども、役作りで一番苦労されたことは?
インソン:この映画は、ヤクザという特殊な職業についている人の映画ですが、そのことにこだわるよりもまず、私自身を入れてみたので全体的に私自身がこのストーリーの中に溶け込みやすかったんです。また、ヤクザというキャラクターを演じるにあたっては、方言や歩き方、行動などのディテールを監督と本当にたくさん話し合いながら作り上げました。
Q:この映画を観てとても悲しい映画だと感じたのですが、ご自身はこの役をどのように捉えていましたか?
インソン:この映画は、観客を泣かせるために作られた映画ではありません。むしろ、この映画を観終わった後、みなさんはむなしさを感じるのではないかと思います。非常にリアルな映画で私自身はシナリオを読んだ際、背筋がゾッとするような衝撃を覚えました。私が演じたビョンドゥは、家族や部下を養っていかなければならず、また愛する女性のために何かをしてあげたいとも思っている。そのためにやむなく上司を裏切らなければいけなくなる。29歳の青年がこの全てを背負っていくのにはあまりにも大きな荷物だったのではないかと。青春はある意味火の中に飛び込むかのようなものなので、人生がまだよく分かっていない青春は失敗し、最後は悲劇で終わるという映画だと思います。 |
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Q:撮影で一番苦労されたことはなんですか?
インソン:一番気を使ったところは、方言を喋ることです。また、日常生活を描いた平凡なシーンで家族と話すところなどは、とても神経を使いました。結局そのようなシーンがいくつもつながって映画が出来上がるのだと思いますので、監督にもそのあたりで感情を抑えなさいというふうに言われ、そのように気をつけました。 |
Q:ハードな撮影で毎日コンディション管理など大変だったと思うのですが、気をつけていたこととかはありますか?
インソン:この映画の撮影ではテイクが100回あった中、私が98回出なければいけなかったので、非常に体力的にきつかった映画でもありました。撮影の合間に他の仕事に行ってまた戻って撮影をして、本当に大変でした。しかし、監督がいつも私を励まして下さいました。「今でもじゅうぶん頑張っているが、もうちょっと頑張ってみなさい。この撮影が終われば、全てのことはあなたのところに戻ってくるから」とおっしゃって下さるのに、どうして私が頑張れざるをえないと思いますか。ですから、最後まで頑張れたのだと思います。本当に監督が大きな方でした。 |
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Q:今韓国映画では、たくさんの若い俳優が活躍されていますが、インソンさんが一目置く存在、またはお互い励ましあうような方がいれば教えていただけますか?
インソン:それには全ての方があてはまります。そして、嫉妬は私の力です。私を発展させるような原動力でもあります。ですが、嫉妬ばかりではないです。他の俳優さんたちが素晴らしい演技を見せたときに、それを認めて拍手ができるようにならなければいけないのだと思います。また、何かは分かりませんが、他の方たちがもっていないものを私がもっているということもあるのだと思います。先輩方は、私が今悩んでいるようなことを乗り越えて現在の位置に立っておられるのだと思いますので、非常に尊敬しています。その方たちに、多くのことを学びたいと思っております。 |
Q:日本の映画に出演している韓国スターもいますが、インソンさんはどうでしょうか?
インソン:日本からのオファーは来ていないのですが、いいお話があればすぐにお答えするようにいたします。しかし、言葉の壁というものがありますのでまずは韓国で撮った作品をみなさんにお見せしたいと思います。また、日本で制作をして韓国の監督が撮影し、韓国の俳優が出るというような自然なきっかけがあればいいなと思います。そして、いつか日本にたくさんおられる素晴らしい監督さんたちとも是非作業をしてみたいと思います。
「口下手ですみません」と何度も言いながら、一言一言真っ直ぐに話す姿は好感度大だが、「嫉妬は私の力です」などと思わずドキッとしてしまうようなこともサラリと言ってしまう。優しさと強さ、謙虚さと静かな野心。その計り知れない二面性は、凶暴性の中にふと人としての温かさを感じさせるビョンドゥと重なる。
まだまだ、大きな“何か”が眠っていそうな俳優、チョ・インソン。今後の彼から目が離せない! |
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『サッド・ヴァケーション』青山真治監督記者会見 |
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『サッド・ヴァケイション』
(07・日本/136分)
監督・脚本 青山真治
出演 浅野忠信 石田えり 宮崎あおい 板谷由夏 三石研 斉藤陽一郎 辻香緒里 9月15日(土)〜シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネ・リーブル神戸
その他、布施ラインシネマは秋公開予定 公式ホームページ→
『Helpless』(96)で劇場映画デビュー後、『ユリイカ』(00)でカンヌ国際映画祭批評家連盟賞とエキュメニック賞を受賞。世界でその作家性を高く評価されている青山真治監督が、北九州を舞台とした『Helpless』『ユリイカ』のその後を語る作品として『サッド・ヴァケイション』を完成させた。
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幼い頃母親に捨てられた健次(浅野忠信)が、ある日、偶然にも母親・千代子(石田えり)と再会し復讐の念を抱いていくという内容。
物語は北九州にある運送会社を舞台に進んでいく。構想10年。青山監督の集大成とも言われ注目される本作は、今までの青山作品とは少し趣が違うようだ。抗えない運命、その先に立ちはだかる母性。理屈では超えられない何かに翻弄される男たちのドラマであるのに、全体の空気がとても柔らかですんなり心の動きに馴染んでいける。時に唐突な表現もあれど、そこには今まで見せなかった監督のソフトな優しさが表れているようだ。10年ちょっとの間、監督にどんな心境の変化があり、どんな気持ちで撮影に挑んでいたのかを聞いた。 |
―――『Helpless』(96)から11年。今、なぜこの作品を撮ろうと思ったのですか?
今この時に。という理由はないんですけどね。いつかやりたかったことが出来るタイミングが来たというだけで。
―――発想は『Helpless』を撮った直後からあったそうですね。
そうですね。僕自身『Helpless』の登場人物に思い入れがあったんです。故郷で撮った一番初めの作品だし。生き残った人たちがどうなっていくのだろうかと、非常に気になっていた。キャラクターたちが年を経るごとに自分の中で大きくなっていって…。で、そうこうしている内に『ユリイカ』という映画を作って、試しに『Helpless』に出てきた生き残りの1人である明彦という青年を出してみた。そしたら『ユリイカ』をカンヌで上映した時に、たまたま『御法度』という映画でカンヌに来ていた浅野さんが映画を見てくれてですね。僕に「健次はどうするんですか。どうしたらいいんですか!?」って(笑)。あ〜、やっぱりそういうリアクションをしてくれるんだと。じゃあ、いつか健次のその後の物語を描こうとその頃から思い始めたんです。
―――その間も主人公たちのその後が物語として動き始めていたのですか?
そうですね。こうしよう、ああしようっていう瞬間がずっと頭の中であって。進化していった感じです。 ―――
一旦、「サッド・ヴァケイション」を小説にされたのには理由があるんですか?
映画にするための客観視の重要な要素として小説があったような気がしますね。批評的な視線を持つことができたし、それを経ることによって、改めて書いたシナリオで言いたいことがより鮮明になった。 |
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―――11年前の作品のキャラクターを再び動かしてみての感想は?
あの時は、オリジナルシナリオでの最初の作品で、僕自身映画を作るテクニックなんて“ド新人”だったわけですよ。だからというか、あの時のことは終わった時のことしか覚えなくて、途中のことなんて何も記憶にない(笑)でも、改めて撮影していると、あの人たちはこうだった。そして、10年経ってこうなった。ということが手に取るように具体的に感じられる。あの時があったからコレがあるんだ。みんな10年間どこかで成長していてくれたということは撮影しながら感じていました。
―――今回は、「女性の視点」が大きなポイントですね。
うん、でも僕が一番やりたかったのは“会話”。『ユリイカ』まではモノローグだったような気がするんです。『月の砂漠』という映画を撮って以降、俳優と仕事する喜びを感じ始めて、尚且つそれが会話になってゆく…。僕の一人語りじゃなくて俳優を中心とした会話。人と人とのコミュニケーション(会話)、意思の流通で出来ている映画というのを作りたかった。それが今回、非常に大きな形で実現できたということが、ぼくにとっての重要なポイントでした。 |
―――石田えりさんの包容力の描き方が秀逸でした。どんな演出をされたのですか?
えりさんとは事前に2度お会いしてお話をしたときに僕が千代子という役柄について「この人は普通の人ですよね。こういう人いるじゃないですか」って話していたんですね。その内にえりさんも納得してくれて。ただ、選択していく道が険 |