topへ
記者会見(過去)
旧作映画紹介
シネルフレバックナンバー プレゼント

★ 大阪アジアン映画祭2011

 オープニングセレモニー (2011.3.9)

左からイム・サンス監督、行定勲監督、キム・デウ監督、ミルクマン斉藤氏


今年も世界初公開&日本初公開の珠玉のアジア映画が揃いました!

★期間:2010年3月9日(木)〜13(日)
★会場:ABCホール(朝日放送 新社屋内)
公式ホームページ→

穏やかな川辺のABCホール(メイン会場)にて大阪アジアン映画祭2011の上映がスタートしました。

追加上映となった『一万年愛してる』にも、多くのお客様が来場。
ハッピーで楽しいエンターテインメント作品を多いに楽しんでいただけました。
夕方からの記者会見には、『ハウスメイド』のイム・サンス監督をはじめ、初のコンペティション部門の審査委員を務める行定勲氏(日本/映画監督)、キム・デウ氏(韓国・映画監督)、ミルクマン斉藤氏(映画評論家)が登壇し、新しい歴史を刻む大阪アジアン映画祭2011への抱負を語ってくださいました。

▼登壇者コメント▼
イム・サンス監督
「みなさまはじめまして。今日大阪に到着しました。
大阪には2回来ていますが、毎回短い滞在なのが残念です。今回はオープニング作品に選んでくださってありがとうございます。いつもは私の映画は小さく公開されているんですが、いつかは大きく上映されることを願っています。」

行定勲監督:
「数年前に大阪アジアン映画祭にちょっとだけ参加してもらったときに比べると、コンペ部門ができたりと映画祭が進化しているところに第一回目で審査員に選ばれることに非常に感謝しています。3人での選考は難しいですが、この3人でアジアの独自性を評価することは楽しみです。キム・デウ監督と少し話をしましたが、映画に真剣に向かい合っているお話を伺い、背筋がのばされたような気分です。楽しみにして下さい。」

キム・デウ監督:
「はじめまして。小さいときから今まで日本の文化に学んできました。
大阪は好きなので何度もきています。今後も日本の文化をもっと学び、もっと映画を 勉強したいです。ありがとうございました。」

ミルクマン斉藤氏:
「大阪に住んで日本のいろんな映画祭を見るうちに、大阪で新作を集めた映画祭があまりなかったということがとても寂しかったです。いよいよコンペ部門ができるときに携わせていただき、非常に感激しています。ただ芸術性が高いだけでなく、エンタテイメント性に富んだ作品を持ってきていて、素晴らしいです。 緊張感を持って、ワクワクしながら臨みます。ご期待ください。」

挨拶後の『ハウスメイド』のイム・サンス監督Q&Aでは、チョン・ドヨンさんを起用した理由について、 「自殺にはじまり自殺に終わる暗いストーリーをみせるには、ビッグスターの起用が必要だった。」と語り、「本能的なチョン・ドヨンさんと撮影することで映画を撮る面白さを120%感じることができた。」と“神が乗り移った巫女のような俳優”と絶賛されていました。

オリジナル版『下女』との違いについては、『下女』が戦争が終わってミドルクラスが作られた時代の話で、下女と関係をもった主人は罪の意識にさいなまれていたのに対し、今回はミドルクラスがなくなり、スーパースーパーリッチが生まれた現代の韓国で、主人は自分のハウスメイドを妊娠させ、全く罪の意識のない男が描かれているのだとか。
韓国でも海外でも必ずインタビューでオリジナルの『下女』の話をしなければならないと苦笑いしながらも、「社会の階級の中の下にいる女性を描きました。より政治的な、経済的なことを描いたんだと思います。」と記者会見を締めくくったイム・サンス監督。

続く、本映画祭オープニング・セレモニーでは満席のお客様を前に登場。
女性を主人公にその心情を描くことの多い監督の演出について質問されると「それは、女性が好きだから」と述べ、会場も笑いに包まれました。
 ★クロージングセレモニー (2011.3.13)
『大阪アジアン映画祭2011』 第1回コンペティション部門 グランプリ決定 !!

●クロージング・セレモニー:3月13日(日)18:30〜 ABCホールにて
公式ホームページ→
熱気に溢れる会場内。 来日ゲストらがそろい、クロージング・セレモニーが始まりました。
大阪アジアン映画祭実行委員長、上倉庸敬(かみくら・つねゆき)より挨拶。
それに引き続き、表彰式へ。
檀上には、審査委員のキム・デウ監督とミルクマン斉藤氏、そしてABC賞のプレゼンターとして朝日放送の総合ビジネス局イベント事業部の板井氏が登場。

下記、受賞結果と、各人のコメントです。
▼観客賞/『一万年愛してる』
・北村豊晴監督:あまり喜ぶとなんですが、少しこの場は喜ばせてください。
遠くからも映画を観に来てくれたお客様に感謝しています。
・ペギー・チャオプロデューサー:昨年に引き続き嬉しい賞をいただきありがとうございます。

(C)2010 Gmm Tai Hub Company Limited
▼ABC賞/『アンニョン!君の名は』
・バンジョン・ピサンタナクーン 監督:賞までいただけ嬉しい限りです。ありがとうございました。
・チャンタウィット・タナセーウィー氏(脚本・主演):大阪で上映できたことが嬉しいのに賞までありがとうございます。
▼来るべき才能賞/バンジョン・ピサンタナクーン氏
(『アンニョン!君の名は』監督)

・バンジョン・ピサンタナクーン監督:I LOVE 大阪!2つも賞をいただき、更に夢のようです。ありがとうございます。
▼グランプリ(最優秀作品賞)/『恋人のディスクール』
・デレク・ツァン監督:おおさかぁーーーっ!想像していなかったので、本当に嬉しいです。
・ジミー・ワン監督:本当に嬉しいです。デレクと一緒にグランプリがとれ、嬉しく思っています。大阪一番!

【審査委員、ミルクマン斉藤氏からの総評】
 まず審査にあたって、繰り返し論議されましたのは、脚本の重要性ということについてであります。とりわけデジタル時代においては、フィルムよりも簡単に撮れるがゆえに即興的な映画づくりに流れやすく、結果として全体的なヴィジョンの欠落した作品になってしまうことが多い。脚本というものが映画の要であるとする行定監督、キム・デウ監督からは、とりわけそうしたことについての強い懸念がありました。
 最優秀作品賞について審査員3人の見解はあっさり2本に絞られました。その2本とは『恋人のディスクール』、そして『雨夜 香港コンフィデンシャル』です。  しかし総合的な完成度という点で一歩抜きん出たのが『恋人のディスクール』です。練りあげられた脚本と構成の妙。エピソードごとにトーンを変化させる演出。エンタテインメント性とアート性のあわいを行く、デレク・ツァン氏&ジミー・ワン氏ふたりの映画づくりに対する意欲がひしひしと感じられます。撮影・音楽等プロダクションの技術の高さ、そしてそれぞれが個性を放つ俳優陣の演技力も素晴らしく、もしアンサンブル演技賞を設けられるとするならばぜひ贈りたいほどだという声も上がりました。
 よって「大阪アジアン映画祭2011」、第1回コンペティション部門グランプリは『恋人のディスクール』に決定しました。

 我々の見解では、今回のコンペティションでエンタテインメント作品として見事な完成度に達していたのは『一万年愛してる』と『アンニョン!君の名は』であります。しかし観客を意のままに操ってみせる作家としての力量、全アジアを席巻する韓流ブームという目のつけどころの面白さ、さらには異国の地で思い切りのいい、大胆な演出をやってのける度胸の良さ(笑)。そうしたことも含んで一等図抜けていたのが『アンニョン!君の名は』であり、監督のバンジョン・ピサンタナクーン氏であります。
 よって「大阪アジアン映画祭2011」、第一回コンペティション部門来るべき才能賞は、今後のタイ映画界、アジア映画界の牽引者としてさらに成長して欲しいという願いをこめバンジョン・ピサンタナクーン氏に授与いたします。


続いてクロージング作品『カイト』の上映前に、セレモニーがありました。
一足先に作品を観ているサニー・フランシスさんが登場。
軽快なトークのもと、会場を一気にくぎ付け。
その後、『スラムドッグ・ミリオネア』の原作者でもある、ヴィカース・スワループ駐大阪インド総領事がご登壇されました。
大地震の発生した今回の映画祭。
海外からのゲストは、本国の仲間たちに、とても気にされていたと聞きます。
今回は、この東日本大震災の義援金を会場で募りました。


   
             
HOME /ご利用に当たって