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★『インセプション』 渡辺謙 舞台挨拶 

(C) 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
『インセプション』 
ゲスト:渡辺謙
 (7月17日(土)大阪なんばパークスシネマ)

(2010年 アメリカ 2時間30分)
監督・脚本・制作:クリストファー・ノーラン
出演: レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、マリオン・コティヤール、エレン・ペイジ、トム・ハーディー、キリアン・マーフィー、トム・ベレンジャー、ディリー・ラオ、マイケル・ケイン

2010年7月23日(金)〜より丸の内ピカデリー、梅田ピカデリー、なんばパークスシネマ、ほか全国ロードショー
公式サイト⇒ http://www.inceptionmovie.jp/

 この夏、かつてない斬新な着想と想像を絶するダイナミックな映像で、我々を異次元の世界へトリップさせてくれる驚異の映画が世界を席巻する。他人のアイデアを盗むため、あるいは、潜在意識を変えることによって人をコントロールするため、ターゲットとなる人物の夢の中に潜入するという・・・。監督は、『メメント』(2000)で時間軸を遡る手法で新たなスリルとサスペンスを生み出したクリストファー・ノーラン監督。『ダークナイト』(2008)では、アカデミー賞8部門にノミネートされ2部門を受賞。本作でも脚本と製作も手掛ける、決して期待を裏切らない才人である。
 そんなノーラン監督が、レオナルド・ディカプリオを主役に、『バットマン ビギンズ』(2005)で一緒に仕事をした渡辺謙や、若手演技派『JUNO/ジュノ』のエレン・ペイジや『500日のサマー』の気弱なふられ男とはうって変わってレオの有能なアシスト役のジョセフ・ゴードン=レヴィット、オスカー女優のマリオン・コティヤール、『プルートで朝食を』(2005)で性同一性障害者を強烈な魅力で演じたキリアン・マーフィー、さらに、久しぶりにいい男ぶりを見せているトム・ベレンジャーなどの豪華なキャスティングで、一層作品に重厚感を出している。
その大注目の『インセプション』の先行上映会で、ゲストの渡辺謙が舞台挨拶のため登壇した。
【はじめのご挨拶】
 ロンドン、パリ、ロサンジェルスなどでプレミアでは熱狂的に受け止められて、ホッとしております。また、やっと公開の日を迎えられて嬉しいです。脳内のジェットコースターみたいな映画です。シートベルトを締めるのを忘れないで下さい。今日1人で来られたお客様は大変です。見終わって誰かと喋りたくなると思います。誰かと喋らないともの凄くストレスが溜まります。「あれは何やったん?誰か教えて!」というようにね。見てない人とは喋れませんが、誰か捜して喋りたおして下さい。見終えて食事に行ったとしても、注文するのを忘れる位喋りたくなる映画です。今ここで説明できないのがつらいです。
――― 「バットマンビギンズ」で一緒に仕事をしたクリストファー・ノーラン監督から、最初にミスター・サトウの役のオファーがあった時は?
監督から、「この役は君をイメージして書いたんだよ」と言われ、「ウソやろ!?」と思ったら本当だったんで、とても嬉しかったです。私の役は日本人でなくてもいいのですが、私をイメージして日本企業のオーナーという設定になったそうです。俳優としての私を理解して下さった上でのオファーだったので、とても光栄に感じました。

ハリウッド映画に出さして頂いて9年になりますが、こんな現代人のコンテンポラリーな役は初めてだったんです。着物も着てないし、刀も差してない、特殊メイクもしてない、時代劇以外の役は初めて。また違った役者としての窓が開けたかなと思っています。

――― あまり詳しくは言えませんが、どうやって撮ったんだろうと思うシーンがいくつも出てきますが・・・?
これだけは言っておきます。CG全盛の時代にあって、私達はブルースクリーンの前で撮っていません。背景画は別として、殆どアナログで撮っています。皆、体を張って撮った作品だと言えます。

 ――― ロスのプレミアでレオナルド・ディカプリオが謙さんのことを、「ケンは日本の“ナショナルトレジャー(国宝)”だ」と言っていましたが・・・
「オレは寺に入んのか!?」でも、そう言ってもらって嬉しいです。私がどんな風に仕事しているのか、評価してくれたんでしょう。
―――彼との共演は如何でしたか?
彼は、あの若さにして俳優としてのスキルは勿論、根性がありますよ。これだけのキャストやスタッフを6ヶ月間も引っ張っていく力を持っているんですから。若手スター達が結集して作った作品ですので、現場での気圧も上がりっぱなしでした。

――― そうした若いエネルギーの影響を受けましたか?
はい。監督もそういうエネルギーを求めていたのだと思います。

――― 今だからこそ言える、撮影中の大変だったことは?
映画の内容でここを!というのはないのですが、レオも私も限界が近くなると歌い出す癖があるんです。よく歌ってました(笑)。それぐらいタフな撮影をしてきましたので、我々の熱演を見て頂きたいです。

――― この映画は、映画史上でも初めて出てきたような作品ですが・・・?
そうだと思います。今は3Dのようなテクニカルな映画が主流になってきていますが、『メメント』や本作のように、人の心の中に入り込めるほど映像に力のある映画もできるということを証明したと思います。

――― “インセプション”の意味は?
発端、機転とかいう意味ですが、人の夢の中に入ってその人を操作するために、その人の思考の一端を盗んだり、何かを植え付けたりするということです。

――― 渡辺さんはどなたに何をインセプションしたいですか?
絶対したくないです。こんなことが実際にあったら恐くて生きてられないですよ。

――― 最後に大阪の皆様にご挨拶を。
大阪は通り過ぎることができない所です。僕がこの映画を初めて見た時、悪夢にうなされてしまいました。私自身、ノーラン監督にインセプションされたような気分でした。多分、今夜は皆さんがインセプションされることでしょう。どうかいい夢を見てください。

 ハリウッド俳優の中に在っても何の遜色もなく堂々としていた渡辺謙。立派な体格と精悍な顔つきと大袈裟すぎない質の高い演技力が、彼を存在感のある俳優として見る者の潜在意識の中に印象に残すのだろう。益々ビッグになってきたようだ。
 それにしても、ノーラン監督は、『インソムニア』(2002)という不眠症の男の映画も撮っている。睡眠と夢の中の格闘・・・彼の好奇心は、人間だからこそ生み出せる「脳内」の神秘を探求しているようだ。それこそ、積極的にしっかりと見ないとついていけなくなる、脳内トレーニングにはピッタシの映画だ。猛暑でヘロヘロになった脳をシャキッとさせるのにも役立つかも?
(河田 真喜子)ページトップへ
   
             
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