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★『大韓民国1%』主演女優イ・アイ インタビュー

『大韓民国1%』
〜日本大学に在学中のイ・アイが主演映画『大韓民国1%』を大阪でPR〜

(2010年 韓国 1時間45分)
監督 チョ・ミンナム 
出演 イ・アイ ソン・ビョンホ イム・ウォンヒ キム・ミンギ

2011年3月19日(土)シネマート心斎橋
公式サイト⇒  http://www.alcine-terran.com/rok/
 韓国の海兵隊においてわずか1%のエキスパートしか入隊できない海兵特殊捜索隊に、女性で初めて配属された副士官イ・ユミの苦悩と成長を描くアクションドラマ。男でも耐えられない厳しい訓練を1位通過し、念願の特殊捜索部隊に入隊するイ・ユミを演じるのは、現在も日本大学の映画学科に通いながら女優活動を続けるイ・アイ。韓国では本作の演技で数々の新人賞を受賞するなど、新鋭女優として今後の活躍が期待されている。そんな注目株のイ・アイがプロモーションのために来阪。合同会見に臨んだ。
 男だらけの海兵隊で女だからと目の敵にされながらも、持ち前のガッツで万年最下位のチームを取りまとめていくイ・ユミの“ど根性”こそがこの映画の最大の見所。劇中では泥だらけになりながら軍隊の訓練に励むイ・ユミの姿が描かれるが、その訓練を本物に見せるためイ・アイは並々ならぬ努力を費やした。訓練は撮影の6ヶ月前から始まっていたそうで「オーディションに受かってからは男性俳優と一緒に訓練に参加しました。個人的には逞しく見えるように筋トレをして、あとは海兵特殊捜索隊の仕草や、キャンプも潜水の訓練もしました。その中でも一番大変だったのはIBSというゴムボートを7人で持って上げたり下げたり走ったりすること!モーターをつけるとボートの重さは100キロを超えていて、とても大変でした。泥だらけになるシーンは、楽しんでやっていたのですが、泥の中に貝殻がたくさんあって体に傷がついてしまった。水泳には自信があったのですが、走るボートから海の中に飛び込むシーンを撮ったときは、天気が悪くて波も風も強くて恐怖を感じました。自然は怖いです。」
 怪我をしたり、余分な筋肉が付いたり、女優としてリスクも伴う撮影も多々あったはず。それでも本作にチャレンジしようと思ったのは「シナリオに新鮮さを感じた」から。「韓国映画で女性軍人が活躍する映画が今までに無かったので、男の世界のなかで苦労するユミが魅力的でした。」海兵特殊部隊に女性が入隊する物語はフィクションであるが、現実の世界でも今やありえない話ではないらしい。「韓国の軍隊には女性もいて、その中の1人に特殊部隊からオファーがあったそうです。でも、男だけの部隊を守りたいという理由から拒否したと聞きました。」







 「この映画に出演が決まってから、軍隊について色々調べて訓練を経験することで、大韓民国の男性は素晴らしいなと気付きました。どれだけ苦労しているか少し分かった。軍隊に行くってどんなことが起こるか分からないですから…。」映画の中にも訓練中にあやまって北朝鮮の領土に不時着した兵士たちが、北朝鮮側と交戦状態に陥るというエピソードがある。平和な日本にいるとその展開の突飛さが漫画のように思えてしまうものだが、昨年11月に起きた延坪島砲撃事件などを照らし合わせて見ると、韓国においては切実でリアリティのある事柄であり、軍隊の責任と重要性も見えてくるようだ。韓国と北朝鮮が分断されていることに関してイ・アイは「韓国って世の中で一番悲しい国だなと思います。宗教の問題でもなくて、同じ言葉を使う民族なのに争っている。そして、その事実を若い人たちが忘れていくのがもっと悲しいこと。北朝鮮は経済があまりよくなくて人々は飢えたりしています。でも、私にはできることがない。それが本当に悲しい。だから、民族がひとつになることを頭の中から忘れないことが大事だと思う」と静かに語った。

 日本映画が好きで日本大学への進学を決めたというイ・アイのお気に入りは是枝裕和監督。「是枝監督は悲しいことを美しく描く監督さんだと思います。小津安二郎監督の『東京物語』や黒澤明監督の『夢』や『羅生門』も日本に来る前に見ていました。俳優では瑛太さん、佐々木蔵之介さん、香川照之さんが好きです。」今年の3月に日本大学を卒業し、大学院へ進むという彼女。(卒業制作には『大韓民国1%』を提出したとか!)今後は「日本で生活しているので、韓国と日本の交流ができる女優になりたい。これからは変な役とか、男らしい役も、純粋な恋をする役も色々とやってみたい。」と女優としての展望をにこやかに話してくれた。
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