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『王朝の陰謀  判事ディーと人体発火怪奇事件』
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王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件

(C)2010 Huayi Brothers Media Corporation Huayi Brothers International Ltd. All Rights Reserved
『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』
〜華麗なる歴史ミステリー・アクション〜

(2010年製作 韓国 1時間53分)
監督:ツイ・ハーク
出演:アンディ・ラウ、リー・ビンビン、ダン・チャオ、
    レオン・カーフェイ、カリーナ・ラウ

2012年5月5日(土)〜シネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて全国順次ロードショー。
公式サイト⇒ http://www.dee-movie.com

 映画をタイトルだけで判断して見る人が、昨今は多くなっているらしい。そして、このタイトル付けですが、みなさん、いかがでしょうか。もし「王朝の陰謀」だけだったら時代劇アクションかなと思うかもしれない。けれど、この副題はどうだ? これが付くことによって、映画イメージは180度も違うくらい反転するのだ。判事となれば論理的なリーガル・サスペンスを思い出すし、それに続く事件の名称は、不可能犯罪的な猟奇事件ミステリーを想起させる。そして、本作はといえば、その2界をつなぐ「伝奇ミステリー」のタッチで描いているのである。
 伝奇ミステリーとは何なのか。本作における、そのジャンルの意味について説明すると…。唐時代の歴史もので、時代考証はそれなりにやっているが、でも、そこに歴史的事実とはとても思われない設定などを、意図的に、あるいは計略的に入れていく手法を採り込んだ映画である。ある種SF映画的とも思われるこの手法は、これまでにいくつも作られてきた実話系をそのまま描くような歴史劇を、挑発するような作りなのだと思う。
簡単に言うと、歴史をそのまま描いてもエンターテインメントにはならない場合がある。そこで、時代感は尊重しながらも、面白い話を作るべく練り込んでいくのだ。日本映画でいえば『五条霊戦記』(2000年)とか『源氏物語』(2011年)などになるだろうか。
 さて、本作もそうだが中国・香港合作映画は、イギリスが中国へ香港を返還して以来これまでに多数作られてきている。本作はそんな作品の中でもピークを示す1本になったのではないだろうか。映画で描かれる中国史の時代では、古代史・近代史を除いて、秦の始皇帝の時代、三国志の時代、そして、清時代のラスト・エンペラーの時代がベスト・スリーだとは思うが、本作は、かなり珍しい唐の時代。初の女帝・則天武后が君臨した時代でもあった。
  そんな中で、女帝の部下たちが次々に怪死していく。体内から火が燃えだして、まさしく燃え尽き症候群的に死んでしまい灰になるのである。この訳の分からない事件解決のために、投獄されていた判事アンディ・ラウが呼び寄せられる。それで、リー・ビンビンらの3人と共に、事件調査に乗り出していく。ツイ・ハーク監督作品だけに、アクション部が突出しているものの、事件を推理するミステリー部に加え、大仏像のスペクタクル部の凄さにも注目の逸品だ。

(宮城 正樹) ページトップへ

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