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★坡州 パジュ (真!韓国映画祭2011)
『坡州 パジュ』
〜演出・撮影ほか全てが映画的な三角関係恋愛映画だ〜

(2009年製作 韓国 1時間50分)
監督:パク・チャノク
出演:イ・ソンギュ、ソ・ウ、シム・イヨン、チャン・ジャヨン

2011年4月23日(金)〜「真! 韓国映画祭2011」の1本として、第七藝術劇場にてロードショー
5月28日(土)〜6月17日(金)に、東京・新宿K’s cinemaにて、引き続きロードショー

公式サイト⇒http://www.nanagei.com/movie/data/471.html
 静謐な心理演技と緻密な演出ぶりで、三角関係のラブ・ストーリーが展開する韓国映画。韓流のテレビドラマ、例えば「冬のソナタ」などの三角関係恋愛などと比べれば、180度くらい違うような作りになっている。映画とテレビドラマが違うというのは、日本でも昔から言われてきたことだが、ラブ・ストーリーに限定して、そのポイントをいくつか挙げてみよう。

  まずはストーリー展開だ。一部の作品を除いて、主にドラマのように大げさな形で、不治の病気だとか、突発的な事件などは設定されていない。しかも、シンプル・イズ・ベストな関係性を描き出していく。本作は主人公と姉妹の三角関係だ。主人公と姉が結婚し、主人公を好きだった妹は、いたたまれなくなって家出する。しかし、姉が事故で死んだらしい。ある日ふらりと故郷・パジュに帰ってきた妹は、主人公を気に掛けながらも、姉の死の真相を追及しようとする。

  1996年から2003年までの話だが、2003年を現在として、過去と現在が交錯する作りになっている。テレビでは、カットバック手法は余り使われない。人物のアップも多いのだが、テレビ的アップの在り方とも微妙に違っている。チャン・ツィイーを思い出させる、妹役ヒロインのソ・ウのアップが最も多いのだが、ストーリー展開のなかのドラマティックなところで、タイトに挿入されていくのだ。さらに、表情演技を見せるという演技的なポイントがある。

  テレビではできない映画的撮り方は当然、多投されている。『JSA』(2000年)や『オールド・ボーイ』(2003年)で有名なパク・チャヌク監督とは、日本読みで1字違いだが、チャノク監督もまた、本作で映画作家性を遺憾なく発揮した。雨の日の薄ブルー・トーン、薄色の留置所シーン、室内シーンの赤い照明、濃いセピアの照明を戸外シーンで使ったりしている。配色への工夫だけではない。ロングショットのスロー・モーションなど、テレビでは決して見られないシークエンスが、随所に織り込まれている。映画で描かれる7年間と同じく、映画の製作期間も7年間だったという。よーく見てみてください。7年間の醸成・豊穣が確かに感じられる作品となっているはず。韓流ドラマでは描かれない、映画としての恋愛映画がここにあります。
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